錦戸亮「仕事ない」「馬鹿なふりして気軽に…」 ジャニーズ圧力を示唆?
2019年9月30日にジャニーズ事務所を退所した錦戸亮(35)。退所後もソロアーティストとしてアルバムリリースやライブツアーなど順調な活躍をしていたように見えたが、役者業についてはそうもいかないのかもしれない。過日、錦戸がTwitterに吐露していた呟きが話題となっている。
<HDに未だに残してある以前出ていた青春ドラマを、数日間で一気に見直しました。懐かしくもあり、大変でも充実した日々だったなぁなんて、想いに耽っていました。>
<久々セリフ言いたいなって欲も出てきました。何にも気にしないで馬鹿なふりして気軽に連絡くれればいいのにな>
退所した翌日にはTwitterやインスタグラムを開設。昨年12月には、退所からわずか3ヵ月で地上波テレビ(日本テレビ系『スッキリ』)にインタビューという形で出演し、「歌手として」「俳優として」今後の展望を意気揚々と語っていた錦戸亮だが、現在のところ「気軽に連絡」をしてくるドラマ・映画関係者はいないということだろうか。
『スッキリ』出演自体は、異例の事態だと騒がれた。退所したばかりの元ジャニーズがさっそく地上波に出演することは稀だからである。ジャニーズ事務所を退所したタレントのほとんどは、いつのまにかテレビという媒体から姿を消してしまう。国民的アイドルグループだったSMAPのメンバーであり、現在は「新しい地図」として活動している稲垣吾郎(46)、香取慎吾(43)、草なぎ剛(45)でさえ、その憂き目にあった。
むろん、本木雅弘(54)や薬丸裕英(54)、(地上波復帰までは長く時間がかかったが)田原俊彦(59)など今も地上波で活躍している元ジャニーズ事務所所属タレントや俳優もいるにはいる。だが彼らの時代と、SMAPのブレイクからジャニーズ黄金期を経てジャニーズ事務所が地上波各局の覇権を握った現在とでは、状況が違うということだろうか。
「ジャニーズを辞めたから」オファーできない
錦戸亮が出演した青春ドラマといえば、2014年10月期に放送された『ごめんね青春!』(TBS系)は出色だった。宮藤官九郎脚本ドラマのあの作品はもうとことん自由で、たまらなく面白いドラマだった。青春の面倒臭さと、そしてその時期にだけある眩しいほどのきらめきが随所に散りばめられ、放送時には青春などとっくに通りこしていた筆者も「たまらんなぁ」と毎週ニヤニヤしながら視聴したものだ。
錦戸の役柄は高校教師で、ナイーブでまだ生徒と変わらない青臭さも持ち合わせた教師を繊細に演じており、なかなかの熱演だった。あの演技オバケともいえる女優満島ひかり(34)とも五角に渡りあっていたと思う。錦戸の名演は、2008年放送の連ドラ『ラストフレンズ』(フジテレビ系)でのDV男・及川 宗佑役も忘れがたい。
2003年度下半期のNHK朝ドラ『てるてる家族』のヒロイン(石原さとみ)の初恋の人和ちゃんも非常に印象的だった。『てるてる家族』放送時は、可愛さの中に独特の<影>を持ったいい役者さんだなぁと思いながら観ていたことを思い出す。
しかし日本の芸能界は「実力主義」とは言いがたいものがある。これらのキャスティングは彼が<ジャニーズ事務所所属のアイドル・錦戸亮>だったからこそ、まわってきたものだったのではないか。そのことは、錦戸自身もわかっていただろうし、それに懸命に応えていたように思う。彼の芝居は最初からいわゆる<アイドル芝居>ではなかった。だからこそ、ジャニーズの中でもとりわけ演技派だと評判が高かった。
今回のTwitterでの錦戸の「何にも気にしないで馬鹿なふりして気軽に連絡くれればいいのにな」発言は、錦戸がかつて共にドラマを作りあげたスタッフたちへのメッセージなのであろう。だが、このことを記事化した「女性自身」(光文社)のネットニュースには、「ジャニーズあってこその錦戸亮だと、ようやく気が付きましたか」「上から目線にもほどがある」など錦戸の言葉を非難するコメントが多数つけられている。
たしかに文章で読む限りでは、非常に上から目線のように思える。うっかりこんな発言をしてしまうと後々まで好感度に響いてしまうゆえ、ジャニーズ事務所はタレントのSNSを禁止しているのかもしれないし、それは芸能事務所のタレント管理としては正解なのだろう。だが、素直な本音を伝えられるのもSNSあればこそ。
ジャニーズ事務所時代にはあれだけ多くのドラマや映画に出演していた錦戸に、退所後はまったくオファーがないのはやはり不自然な話だ。繰り返すが、彼は決して下手な役者だったワケではない。それでも退所したなら、誰も声をかけなくなる。そこには「暗黙の了解」があるのではないか。
昨年、公正取引委員会がジャニーズ事務所のテレビ各局への圧力を疑い、調査・注意を行ったことは記憶に新しい。錦戸亮に役者の仕事がないのは果たして、「演技が下手だから」「ファンがいないから」「態度が傲慢だから」「トラブルメーカーだから」といった理由なのだろうか? いや、「ジャニーズを辞めたから」だろう。
ジャニーズ事務所があからさまな圧力をかけているわけではないとしても、テレビ局側に忖度がないとは言い切れない。同時に、「ジャニーズはじめ大手事務所所属アイドルは演技力がなくてもゴリ押し」という現象もある。これは確実に、視聴者のドラマ離れの原因のひとつになっている。もうそんな悪しき風習はなくなっていかなければならないはずだ。元ジャニーズで卓越した演技力を持つ俳優といえば、草なぎ剛もそうだ。彼ほどの実力があっても、ドラマ出演がない。まったくもっておかしな話である。
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