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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 新型コロナ感染拡大の戦犯は?
週刊誌スクープ大賞

新型コロナ感染拡大の戦犯は安倍首相と加藤厚労相! 感染者を少なく見せたい意図が露呈

 ところで、現代とポストを駅で買って目次を見て、破り捨ててしまいたくなった。現代は相も変わらず、「やっておくべき手続き」、ポストは「『がん保険』入ったのに治療費がおりない」である。

 お前たちはジャーナリストじゃないのか! 週刊誌を何だと思っているんだ!

 新型肺炎を全くやっていないわけではないが、アリバイ証明以外の何物でもない。

 株は暴落し、消費税増税で冷え込んだ景気はさらに悪化する。現代という雑誌は、昔、サラリーマンのための雑誌と謳っていた。いまこそ、サラリーマンはこの難局をどう生き抜くのかを、教えてあげるべきではないか。そいう雑誌が待たれていると思う。

 その現代のコラムで金平茂紀は、今回の騒動でウイルス禍から学びとれることがあると書いている。

 1つは、ウイルス感染拡大防止にあたるべき政府の閣僚(首相、厚労大臣、法務大臣、環境大臣、文科大臣ら)が揃って無能かつ無責任だという現実が白日の下にさらされた、悲惨な事実。

 2つ目は、担当官庁の役人たちの機能不全が見えたこと。多くの公務員は真面目な人々と信じたいが、だが「上」がダメなのだ。

 和泉首相補佐官とのコネクティングルーム疑惑が取りざたされている大坪寛子厚労省審議官が、コロナウイルス関連の記者会見にのこのこ出てきたのには驚いた。

 3つ目は、医療関係者ら「専門家」たちの役割に疑問符が生じたこと。なぜ、アメリカのCDC(疾病対策センター)のような専門組織が日本にはないのか、今回初めてそれに気づかされた。

 4つ目は、今回嫌というほど知らされたのは、私たちの国の中国への依存度の大きさだ。マスクだって最大の生産地は中国である。

 そして最後は、日本人がいかに羊のようにおとなしく、お上に逆らわずに「上」のいうことをよく聞く民族であることを思い知らされた。

 電車に乗るとマスクをしていない人は、私のようにまれだ。イベントも自粛、テレワークも唯々諾々と従う。

 ものを自由にいえない雰囲気がつくられつつある。このほうが金平には恐ろしいというが、その通りである。

 中国が風邪をひいたら、日本が肺炎にかかったのである。自動車もユニクロも、何もかもを中国に依存してきた。食料も観光収入まで中国だのみ。韓国の日本への依存度などとは比べ物にならないのだ。

 これはたしかに、今回の新型コロナウイルス騒ぎで嫌というほど知った「教訓」であるが、まだウイスルとの闘いはこれからだ。

 さて、朝日新聞(2月28日付)で、池上彰が黒川弘務検事長の定年延長について、森法相が、黒川を延長させる理由を「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため」と答えたことに、「黒川氏がいなくなると、検察庁には仕事を引き継ぐことができる人材がいないという意味に取れます」、日本の検察にはそんなに人材がいないのか、検察官も怒ってしかるべきだと書いている。

 桜を見る会よりも、新型肺炎よりも、この問題のほうがより深刻で、重大だと、私は考える。

 文春の小さな記事だが、この問題について現役の検事正が発言したという。これを今週の第1位にした。

 東京高検検事長の黒川弘務の定年延長問題が国会でも追及されているが、文春は、2月19日、全国の検察トップが集まる「検察長官会同」で、静岡地裁の検事正・神村昌通が、こう発言したというのだ。

「この(定年延長)人事について検察庁は国民に丁寧な説明をすべき。検察は不偏不党、公平でなければならない。このままでは国民の信頼が損なわれかねません」

 勇気のある正論である。その場は凍りついたという。辻裕教法務次官は、「必要があったから延長した」と答えるのが精一杯だったという。

 安倍首相の天をも恐れぬやり方は、多くの軋轢を生んでいるが、今回のやり方は致命傷になる。私はそう思っている。(文中敬称略)

【巻末付録】

 まずは現代からいこう。

「<拡大版>エクスタシーの男女差について-文学的解釈と科学的観測の違い」

「素顔の女優たち/南果歩、自然体で生きる-人生初グラビアを完全掲載」。離婚したから、全裸にでもなって、渡辺謙に「思いしろ!」というのかと思ったら、何のことはない、中年女性のチョッピリSEXYグラビアである。まあ、こんなもんだろうな。

 袋とじは「藤田ニコルが全部見せた!-テレビの人気者が本誌初登場!」。昔はコケテッシュなんて言葉があったな。そんな言葉を思い出した。

 お次はポスト。

「新人AV女優『ハダカ白書』/令和のAV女優は『スカウトより応募』」

「6人の美女が語った全裸デビューの真実-70年代ヌードのヒロイン 関根恵子、三崎奈美、鹿沼えり、原悦子、五月みどり」。名前はビッグだが内容は? だね。

 最後は毎度おなじみの「なをん/大島さんは自由律。(2)」

 平週号で520円も取る現代が、もう少し頑張ってほしかった。というわけで、今週も引き分け!

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2020/03/02 23:23
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