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日刊サイゾー トップ > 社会  > 中国で民謡HIPHOPが爆売れ

中国56の少数民族がマッシュアップ!? 哈尼族民謡をフィーチャリングしたHIPHOPが爆売れ!

中国国内で伝統的民謡のマッシュアップが流行のワケ

 中国発のC-Popが一世を風靡する中で近年、中国国内では「古風」(グウフェン)という伝統的な民謡をマッシュアップしたポップが流行している。

 抖音で人気となった曲を「抖音神曲」と呼ぶが、この抖音神曲の中にも常にいくつかの古風系の曲が入選している。例えば、19年の年始に大流行した「出山」は古筝のメロディーと、詩を詠んでいるかのような歌詞がネットユーザーに大受けし、一時期は抖音に上がった10本のUGCのうち、実に約8本が出山をバッググラウンドミュージックにしたという。

 余談だが、この出山の中国民謡風ビートは意外なことに、海外のビート販売サイト「BachBeats」にて公開されていたものだという。その公開されていたビートを、出山をリリースしたアーティストである花粥(Hua Zhou)と王勝男(Wang Sheng Nan)が購入し、出山を制作したとのこと。出山の後も、数多くの民謡風マッシュアップが抖音上で席巻し、「芒種」や「下山」などといった曲が引き続き古風ブームを牽引する。

 日本でも、214年に和楽器バンドが「千本桜」を通して、海外から絶大な注目を浴びるものの、中国のように民族・民謡マッシュアップが継続的に誕生するような土壌がいまなお開拓されておらず、若者の間でも民族・民謡系音楽の人気度は低い。伝統音楽には、一概に表すことができない奥深さと、その国の文化や歴史を表すエッセンスが随所取り込まれている。その伝統音楽と現代ポップがぶつかり合うマッシュアップこそが、現代における新たな音楽スタイルであり、人々を魅了する芸術となるであろう。

 今後日本でも中国のように、より多くの民族・民謡マッシュアップが生まれることを期待する。

東京生まれ、北京育ち。日本の政府機関で日本と中国をつなぐ事業に従事する傍ら、中国の若者トレンドやチャイナテックなどについての記事を執筆。日本の高校生を中国へ招待し、中国のテクノロジーや起業、政策などを学ぶ教育プロジェクト「Dot STATION」も運営中。

なつめひでお

最終更新:2020/03/02 18:30
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