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『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』愛を持って刺しに来たIDに一撃KOされる韻マン

テレビ朝日『フリースタイルダンジョン』

 2月18日放送『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)は予告通り、若手人気ラッパーの韻マン(いんまん)がチャレンジャーだった。迎え撃つモンスターはERONE(えろーん)である。

マニアックな固有名詞を連発する韻マン

 若手に対し、ERONEの威圧感が怖すぎる。下を向いてステージ上をウロウロしてるだけで妙な圧があるのだ。この危なさは、いかにもERONEっぽい。対して、話題の韻マン。正直、何を言っているかよくわからないところがあった。厨二ワード(?)がよく出てくるが、聞いたことのない固有名詞が多く、なかなか解釈がしづらいのだ。だから、相手との会話はあまりない。よくわからないけども、韻は踏んでいる(気がする)。そこをERONEが突いた。

「お前のライムはゲームか漫画
リアルじゃないから凄ぇくだらんわSucker」

「なぁ ひたすら韻ばっかでウィットもない
言葉のキャッチボールはミットもない
お前のラップはみっともない

「ラップ 曲がヒットもない
ていうか1個もないん?
こういうバトルラッパーいつ曲出んの
せいぜい6年後

 ウィットもない→ミットもない→みっともない→1個もない、からの、いつ曲出んの?→6年後の流れにはアガった。さすが、韻踏合組合である。

 一方の韻マンも、次第に本領を発揮していく。それも、今度は会話をしながらだ。

「いやいや 逆に俺がヒット
野球みたいにホームラン打たしてもらう
現実のアリス・イン・ワンダーランド
逆に三振バッターアウト

 そして、例によって固有名詞を連発する韻マン。

「ベースボール Like a スティーブ・バルボニ
ポッター VS ルシウス・マルフォイ」

 記事を書くにあたり、筆者は韻マンが言ったワードを検索した。スティーブ・バルボニとはヤンキースなどで活躍し、80年代に全盛を迎えた元メジャーリーガー。18歳でよくこんな人名を知っているものだ。でも、この手のマニアックな固有名詞の韻踏みが通用するなら、誰も知らないマニアックな元ネタでもOKになるのでは? と疑問に思えてくる。もっと言えば、架空の固有名詞でも成立してしまうのか? という気がしないでもない(そんなことはしないだろうけど)。今度はそこをERONEが突いた。

「皆“ワァー”とか言うけど ほんまに分かってんの?
リアルにやる2020
こんなフェイクはすぐさま死にます」

 1本目は4-1でERONEの勝利。「もしやクリティカル?」とも思ったが、唯一いとうせいこうが韻マンに上げている。いわゆる“せいこうストップ”がかかった形だ。

 2本目以降は、韻マンの乗せ方の気持ちよさが際立った。逆にERONEはスタミナ切れを起こしたか? 2本目、3本目を取り返した韻マンが、このバトルは勝利を収めた。以下は、審査員・いとうせいこうによるコメントだ。

「最初は現代思想に出てくるような言葉で面白いんだけど、文脈にはピッタリ合ってないかなあというところがあったんですよ。そこがだんだん修正されていって、そこそこ文脈に合う言葉を韻マンが3ラウンドで踏み始めて、新鮮な言葉を言ってるほうが光ってきちゃったところがある」

「最初は合ってなかった」って、1本目で“せいこうストップ”をしているのに……。

 ERONEは1本目でクリティカルを獲れなかったのが痛かった。大阪の先輩としての敗者コメントは以下だ。

「とりあえず韻マンの髪形、真似しようと思います」(ERONE)

 放送翌日の19日、ERONEは「韻マンの髪型する勇気も髪の長さもないので、コラ誰か作ってくれよ」とTwitterでファンに呼びかけ、最終的にブロッコリーと自分の顔が合体したアイコンを採用。「眠いブロ~」「よろしくブロ~」「ブローンさんです」と、今もノリノリでツイートを続けている。

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