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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > バッハを破壊するARCAの革命

KOHHの元プロデューサーがディレクターに! 60分超の驚愕シングルでバッハの音楽を破壊するARCAの革命

交響曲やオペラを彷彿させ、クラシック・ピアノの影響が垣間見える楽曲

 著者は、自負する気はないが、日本の音楽シーンではトップ・レベルの音楽プロデューサー/クリエイティブ・ディレクターであり、常に型破りを意識して音楽活動に励んできた。しかし、この曲のデモを聴いた瞬間に、今まで自分が築き上げてきたものが、まるで何も意味がなかったかのようにさえ感じた。それもそのはずだ、「イントロはこうしよう」「メロディにこういう展開をつけたら新しい」などと考えてきたことはどれも音楽の3代要素の中における話で、ARCAはわずか30歳にしてそれらすべての概念を覆してしまったからだ。

 さらに驚くことに、この楽曲は1曲の中に複数の楽章(本人はQuantaと言っていたが)があり、それは交響曲やオペラを彷彿させ、ARCAが幼少期よりクラシック・ピアノを学習していた影響が垣間見える。

 この楽曲を聴いて、多くのアーティストが筆者のように音楽ビジネスから手を引くだろう。その反面、多くの人間が、ARCAが音楽を破壊して作り上げた“何か”に追随し、アーティスト活動を始めるであろう。

 私が今、ARCAについて語れることは、頭をフルにしぼってもこれくらいだ。アーティストを目指す者、そしてすべての音楽を愛する者に、この作品を聴かない選択肢は皆無である。

 作品の解説をしたいところだが、300年に一度の革命は私個人の見解で語れるものではないので、今回は敢えて割愛させていただく。

 できることなら、自分の音楽環境において1番ハイレゾな状況でイコライザーをフラットにして、62分20秒で構成されたARCAの新しい世界を堪能していただきたい。

最終更新:2020/02/22 09:08
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