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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 片山監督推薦の“韓国サスペンス作品”

『パラサイト』ポン・ジュノ監督の助監督を務めていた片山慎三氏が推薦する“韓国サスペンス作品3選”

チャン・チョルスの『ビー・デビル』はヤバい!

【2】『ビー・デビル』監督:チャン・チョルス/主演:ソ・ヨンヒ/公開:10年/発売:キングレコード 人口9人の孤島へ帰省したへウォンは、幼なじみのボンナムと再会。ところが、ボンナムは夫や島民から奴隷のように扱われていた。その状況を傍観していたへウォンだったが……。

 特にキム・ギドク監督の助監督だったチャン・チョルスの『ビー・デビル』【2】はヤバいです。ある女性がソウルから生まれ故郷の島に戻った際に、島に残っていた幼なじみの女性が旦那からDVを受けていたり、島民の慰み者にされていたことを知ります。長い間、島民たちに虐げられてきた女性は島から脱出しようとするのですが、その間にこれまで彼女をイビってきた姑や旦那に復讐していくんです。味噌を塗りたくって殺したりなんかもします。こう聞くと、キワモノ映画のように思われそうですが、作中ではちゃんと人間模様が描かれているので面白いです。

 そんな韓国映画の中でも僕がもっとも紹介したいのが、『下女』【3】という60年前の作品です。この映画は主人公の男性が、とある殺人事件の新聞記事を妻に話しかける場面から始まります。

 工場のピアノの先生である男性は、身重の妻の負担を軽減するために若いメイドを雇うのですが、そのメイドと関係を持ってしまい、結果的に妊娠します。そのため、妻はメイドを階段から突き落として流産させるのですが、仕返しに今度はメイドが夫妻の息子に毒を盛って階段から落として殺すんです。

「韓国の黒澤明」といわれているキム・ギヨン監督のこの作品は、ほとんど家の中だけで展開されていて、家族が住む1階とメイドが住む2階を結ぶ階段が、象徴的な役割を果たしています。

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