ロバート秋山、椿鬼奴、レーザーラモンRG……民放のナナメ上をゆく「知育と混沌のEテレ」
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椿鬼奴&レイザーラモンRG「ロンリー・チャップリ~ン~♪」
Eテレの油断ならない番組といえば、平日の朝7時から放送されている子ども番組の『シャキーン!』を欠かすこともできない。
主な出演者は、ここちゃん(太田瑚々)、歌鳴家(かなりや)はるか(佐々木春樺)という子ども2人と、ジュモクさん(声・片桐仁)、ネコッパチ(声・やついいちろう)というキャラクター2体だ。15分の放送時間内には、彼ら彼女らのメインコーナーに加え、ちょっと頭を使う短い映像コーナーが複数お届けされる。
その、ちょっと頭を使う短い映像コーナーの出演者が、ちょっと意外な人だったりもする。もちろんコーナーそれ自体も面白い。先週放送されたものでいうと、たとえばこんな感じだ。
・「オッケーお茶の間」
玉城ティナ出演。画面の向こうから玉城が「オッケーお茶の間」とこちらに呼びかけ、質問してくる。今回でいえば「欲しいものを買っても無駄遣いなのかな? 教えて?」など。普段のように検索する側ではなく、検索される側になるという反転の構造がここにはある。あるいは、テレビの向こうの話をこちらが聞くのではなく、こちらの話をテレビが聞くという反転。VTR内で問いへの明確な答えは出されない。画面の向こうの玉城は、ただ愛くるしく微笑んで相づちを打つのみだ。
・「未来からきた先生」
二階堂ふみ出演。30年後の未来からやってきた家庭教師の先生と男子小学生による、ドラマ仕立てのコーナー。二階堂が演じる未来の先生が、生徒との会話の中でふと「訪問家庭教師」など現代にはない単語を発する。そこから、訪問家庭教師という言葉があるってことは、未来には訪問しない家庭教師がいるってことで、それはつまり……と想像力が刺激される。世界に今あるものを言葉で表現するのではなく、言葉の側から今は世界にないものを想像する。ここでも家庭教師の先生は明確な答えを教えてはくれない。
ミニコーナーだけでなく、メインコーナーもときに見逃せない。たとえば13日、子役2人に「海外スターが来た」とドッキリをかけながら、偽物の大スターの前で「箱の中身はなんだろな」をやらせるという放送も奇妙で面白かった。箱の中に何も入ってなかったり、逆に3つも物が入っていたりするという仕掛けもなんだか新しい。
実は、11日の『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)でも「箱の中身はなんだろな」をやっていて、このとき、箱の中にパイナップルとトカゲが入っていた。これを見た博多大吉は言う。
「正直、30年芸人やってますけど、この(答えが2つある)パターン初めて見ました」
確かに「箱の中に複数の答えがある」というパターンは珍しい。しかし、それにさらにドッキリを重ねる複雑な構造を、Eテレの子ども番組が放送しているわけである。
さて、先週の放送の中で最も奇妙だったのは、何より10日のメインコーナーだろう。
その日、オープニングもそこそこに、セットの扉からゲストが入ってくる。椿鬼奴とレイザーラモンRGだ。鬼奴は真っ赤なトップスでスナックのママのような格好、RGはサングラスに紫色のダブルのスーツでアウトロー感のあるたたずまい。そんな2人が高らかに歌い上げる。
「ロンリー・チャップリ~ン~♪」
改めて確認するが、朝7時、Eテレの映像である。その後の展開は言葉で説明するとややこしいので省略するけれど、子どもの知育を目的とした番組らしく適度に頭を使うゲームが行われ、そしてとにかく混沌としていたとだけ。変な映像は、直接見るに限る。
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