大企業からの内通者に対する報復を容認!? 安倍政権の“国際的時代遅れ”がまたまた露呈
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自民党が公益通報者保護法の改正にあたって、企業側の罰則規定を設けない方針で検討を進めていることが明らかになった。内閣府消費者委員会の専門調査会がまとめた改正に向けての報告書から大幅に後退したもので、専門家の間では、「自民党の企業優遇体質が如実に現れている」と批判を呼んでいる。
公益通報者保護法は2006年4月に施行された。
組織内の犯罪など不正を勤務先に内部通報したり、行政機関や報道機関などに内部告発したりしたことを理由に、解雇や降格、減給などの不利益な扱いをすることを禁じた法律で、今回が初めての本格的な改正となる。
法施行当時から、同法の実効性には疑問を呈する声が多かった。それは、通報者に対する不利益取扱いを行った者への行政罰や刑事罰の規定がないためで、「通報者が不利益取扱いを受けた時には、自らが裁判で戦わなければならない」ため、公益通報者の保護不十分だと見られていたためだ。
18年12月に公表された内閣府消費者委員会の専門調査会報告書では、公益通報者保護のため、「通報者に不利益な取り扱いをした企業の対する行政措置や企業名の公表」を求めている。
2月3日に自民党の消費者問題調査会のプロジェクトチームがまとめた提言では、「通報者に不利益な取り扱いをした企業に対する罰則」については盛り込まれず、「通報者の負担軽減や不利益取り扱いの是正に向けた取り組みを進める」との表現にとどめ、具体的な企業の罰則規定には言及しなかった。
一方では、通報者に関する情報漏れ防止の観点から、「事業者に守秘義務を設け、さらに、内部通報の担当者などには罰則付きの守秘義務を課すべき」とし、また、現在の法律では会社を退職した人が通報をしても保護の対象とならないが、「退職後1年以内の通報については保護の対象とすべき」との提言を盛り込んでいる。
プロジェクトチームの宮腰光寛座長は「今回まとめた提言を踏まえて政府が法律の改正案を取りまとめ、公益通報者保護制度の実効性が向上することを期待している」と述べている。
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