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日刊サイゾー トップ > 社会 > メディア  > 若者に“固定電話恐怖症”が蔓延

若者が新手のパワハラに辟易!? 「ワンコール縛りが嫌で会社やめた」人も出現する“固定電話恐怖症”が蔓延

一方では、「固定電話恐怖症」に対する否定的な意見も?

 だが、番組の放送後にネット上で見られたのは、会社の電話を受けることについてのさまざまな意見だ。特に、「会社の固定電話が苦手」という「固定電話恐怖症」に賛同する意見は多く見られた。また、「何故、新入社員や若手社員だけが電話を取らなければならないのか」という意見や、「会社からはワンコールで電話を取るように言われている。出なければ、上司から叱責される。こうしたパワハラまがいの決まりがあることが信じられない」といった会社に対する不満もあった。中には、「ワンコールで電話に出るという決まりが嫌で会社を辞めた」といったものまであった。

 一方では、「固定電話恐怖症」に対する否定的な意見も多く見られる。「電話応対ができるのは、社会人としての最低の能力」という厳しいものから、「若い人に電話に出るように注意したら、“なぜ自分は出ないのか”と逆切れされた。それ以降は、自分で電話に出るようにしている」といった“諦め”もあった。

 番組に出演していた専門家は、「今は仕事のやり取りはほとんどがメールになっている。メールだと返事を書くにあたって考える時間があるが、電話では即答しなければならない。今の若い人たちは、すぐに返事をするのが苦手なのでしょう」と分析していた。

 果たして、本当にそうなのだろうか。

 確かに、現在では仕事に関する多くのやり取りはメールが中心になっている。メールであれば、細かな部分も記述により、はっきりさせることもできるし、記録も残る。しかし、メールやLINEは個人のコミュニケーション・ツールとしても使われている。友だちと話をするのに、電話よりもLINEを使うという人は多いだろう。

「固定電話恐怖症」の問題は、会社での仕事という環境での問題だが、本質的には現代人のコミュニケーション能力や方法の問題なのかもしれない。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2020/02/10 12:12
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