『フリースタイルダンジョン』TKda黒ぶちがチャレンジャーと共鳴し、バトルがセッションへと変貌!?
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2月4日放送の『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)は、感慨深かった。久しぶりにラップバトルが行われたのだ。前回は占いだったし、前々回はパン作りだったし……。新境地を開くどころかただの迷走に終わっていたここ数回は、一体なんだったのだろう?
今回のチャレンジャーは、千葉県在住で2児の父のラッパー・SHAMO(軍鶏/しゃも)である。新日本プロレスの二冠王者・内藤哲也ばりに目を見開くポーズで登場してきた姿からはプロレスへのリスペクトがうかがえるし、テレ朝の番組でこのポーズを取っているのがなんともアツい。
そんなSHAMOと今回対戦したモンスターは、TKda黒ぶち(てぃーけーだくろぶち)。この2人が展開したバトルが、とんでもなくいい試合だったのだ。ここ最近では一番いいバトルだったと思う。
ニトロ、MURO、レッチリからサンプリング
ちなみに、SHAMOのバトル歴はたった6~7回(ラップ歴は15年)。TKとSHAMOは過去に一度対戦したことがあり、そのときはTKが勝利している。
「俺、すごい(TKが)好きですよ。彼が一番俺に近いと思います、情熱的でパッションもあるし」(SHAMO)
SHAMOはチャンスカード (事前にチャレンジャーに渡される3枚のカード。挑戦前に3枚の「チャンスカード」が与えられ、任意のラウンドの開始前に使用できる。【BEAT】1ラウンドに限り、ダンジョンルーレットの「BPM」の出目を指定できる。【TURN】1ラウンドに限り、ダンジョンルーレットの「TURN」の出目を指定できる。【CHANGE】対戦するモンスターを変更することができる。ROUND1開始前にのみ使用でき、対戦相手を指名することはできない)を初っぱなから惜しげもなく使った。FASTビートで8×4。速いビートが得意なTK相手にこの選択は男気があるが、SHAMOのほうも速いのは得意だ。自ら先攻を選び、やれることはやってやろうという意気込みがチャレンジャーから感じられる。というか、カードを一気に2枚使うということは、1本目でSHAMOはクリティカル(判定が全員一致するとクリティカルとなり、即勝利確定)を狙っていたのかもしれない。
言ってしまうと、今回のバトルはストロングスタイルな暑苦しさが醍醐味だった。その一方で、随所に挟み込まれたサンプリングにも注目しておきたい。いくつかピックアップすると、こんなのがあった。
「“ごめんね”より“ありがとう”が最近増えたよ 調子はどうだい」
「こんな時代を待ってたぜ!」
「Give it away Give it away now 色濃く滲み出しなかじかんだ 」(いずれもSHAMO)
「調子はどうだ」はNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDから、「こんな時代を待ってたぜ」は96年のさんピンCAMPでMUROが叫んだ「こんなシーンを待ってたぜ!」からのサンプリングだ。それだけでなく、Red Hot Chili Peppersの名曲「Give It Away」からも引用してみせたSHAMO。33歳のSHAMOが放った90年代へのリスペクトに胸が熱くなる。
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