向上心はゼロでいい！　哀愁の中年コピーバンド漫画『バンドしようぜ』

『バンドしようぜ』しょぼくれた中年サラリーマンに読んでほしい！

「音楽は人に聴いてもらうものと、勝手にただ演奏するだけのものがある」

　そうなんですよ！　世の中の99％の音楽は、勝手に演奏されてるんです。ヒップホップだって、本をただせばNYの若者から生まれた自然発生的な音楽カルチャーです。そう考えると、沢尻の主張も一理あるような、ないような気がしてきますね!!

「世の中には向上心のない人間がいる、それがこのオレだ」
「何も頑張らなくていいこのバンドが丁度いいんだ」

　普通だったら、最高にカッコいい言葉に続けて言う「それがこのオレだ！」というセリフを、最強にダサい言葉の後につけて言う沢尻。実に斬新！　これぞ、オルタナティブロック!!

「オレはただ、自分の叩くドラムに合わせて演奏してもらいたいだけなんだ」

　ものすごく熱くたぎる感じで、ものすごく後ろ向きなことを言ってますが、同じ40代として共感できます!!　頑張るとかカッコわりいぜ！　観客とかファンとか音楽には不要！　向上心なんてゼロのほうがロックだぜ！……そんな心意気を受け取りましたよ。僕も常々そう思ってました。だって僕も向上心がゼロの人間だから……！

　そんなわけで、僕みたいにしょぼくれた中年サラリーマンにはちょうどいい加減の、ユルユル中年コピーバンド漫画『バンドしようぜ』をご紹介しました。読んでいると、90年代のJ-POPをもう一回聴いてみたくなるのもポイント高いですよ！　僕はこのマンガの影響で、パーソンズを20年ぶりに聴き直しました。

●バンドしようぜ
https://mag.mysound.jp/post/243