人類全体が初めて直面している脅威…気候変動の“熱さ”と日本の冷めた無関心
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あまり話題になっていないようだが、1月24日付の毎日新聞朝刊に「え?」と驚かされる記事が載っていた。見出しは「気候科学信頼 日本25%」。世界30カ国を対象にした調査の結果、気候に関する科学者の発言や研究を「非常に」「かなり」信頼しているという人が日本には25%しかいなかったそうだ。世界全体の平均は57%、「気候変動は中国のデマ」という斬新な見解を唱えたことのあるトランプ大統領のアメリカでも45%。日本の25%という数字の低さが際立つ。これはロシアの23%に次ぐワースト2位である。さらに、環境と経済の関係について、日本は「経済成長が鈍化しても環境を優先」という回答が22%にとどまり、これは30カ国中最低。もはや環境後進国呼ばわりされても仕方ないような結果だ。そもそも気候科学を信頼しないって、いったいなぜなのか。
気象災害の最大被害国なのに無関心
ちなみに日本は2018年における気象災害の最大被害国とされている。これは西日本豪雨や猛暑、台風21号などの被害の大きさから算定された結果とのこと。2018年に限らず、 “数十年に1度”とかいうレベルの豪雨や台風が毎年のようにやってきているし、今年の冬も記録的な暖冬。日本に住んでいれば誰もが近年の異常気象を実感しているだろう。それなのに気候変動の影響を指摘して、警告を続けている気候科学を信じない。
まあ、ウナギがあれだけ絶滅の危機的状況にあるといわれても、土用丑の日となれば安売りのウナギをガツガツ食べまくってしまう日本人は、そもそも環境問題に無関心な傾向があるのかもしれない。江戸しぐさとかEM菌とか親学といった歴史的根拠、科学的根拠のないトンデモ理論が蔓延していることからわかるように、いわゆるリテラシーも低いのだろう。若い人には通じないだろうが、かつて『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになって一世を風靡した国だし。しかし、そんな日本の気質とは関係なく、気候変動は国際的に現在さまざまな意味で、もっとも“熱い”トピックのひとつであり、あまり無関心でいられない問題だ。
1月21日には世界の政財界のトップが一同に会する世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されたが、ここでも議題の中心になったのは気候変動で、スウェーデンの10代の環境保護活動家グレタ・トゥンベリ氏とアメリカのトランプ大統領が再び舌戦を繰り広げたことも世界的な話題になった。
トランプ大統領は過去の「気候変動は中国のデマ」発言を否定したうえで「気候変動が起きているとは信じていない」と語ったり、その後は「少しは信じてる」と言い始めたり、気候変動に対する態度がコロコロ変わっているので、実際のところ何を考えているのかよくわからない。ただ、今回のダボス会議では1兆本もの1兆本の植樹プロジェクトへの参加を表明し、環境保護活動に前向きな姿勢も示している。グレタさんには「植樹はいいことだけど、それだけでは不十分」と批判されてしまったわけだが。
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