ロンブー亮「ただ隣にいるだけの芸人」という価値
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宮下草薙・宮下「いるだけの芸人って必要なんですか?」
霜降り明星やEXITらと共に、お笑い第7世代にくくられる宮下草薙は、草薙の度を越したネガティブさで注目を集めてきた。整えられていない髪、チノパンにジャケット、止めどなくあふれるマイナス思考。草薙のビジュアルや言動は、漫画で誇張して描かれるような、いわゆる”陰キャ”そのものだった。彼を軸にコンビは回り、宮下は”じゃない方”になりがちだった。
もちろん、宮下は独自の存在感をアピールしてきた。番組出演の前に綿密なシミュレーションを行い、草薙にバラエティでの立ち振る舞いをレクチャーする。同じ集合住宅で暮らし、芸人としての生活を日々監視する。魚の缶詰を食べさせ、頭の回転を良くしようとする。草薙の操縦者としての役割を示す、そんなエピソードが語られてきた。
だが、この日の『アメトーーク!』で宮下は語る。
「みなさんもうお察しだと思うんですけど、このコンビに宮下が必要ないなって思ってるんです、最近もう」
なぜ、自分は必要ないと宮下は思ってしまうのか?
「結局、やっぱ草薙って(番組出演の)経験も多いんで、肌で感じたことって数倍入ってくるじゃないですか。僕なんか、ただのお笑いマニアなんですよ。お笑いマニアの言ってることなんて、ただの戯れ言 なんですよ。現場で通用するわけがないんですよ」
机上で学んだ自分よりも、実地での経験を積んだ草薙のほうがすでに力をつけている。草薙の操縦者という役割が、必要ない状況が生まれてしまった。そんな自覚が、このコンビに自分が必要ないという諦念を生んでいるというのだ。
宮下はさらに、解散に近いことすら口にした。草薙のおこぼれで番組に出ている感じが嫌だ。一度解散し、ピン芸人として再出発したくなっている。自分ひとりの力でどれぐらいやれるのか、試したくなっている、と。
こんな宮下を、隣の草薙は即座にフォローする。自分はすぐに緊張してしまう。緊張すると自分は駄目になってしまう。だから宮下が隣にいてくれないと困る。しかし、このフォローを受け、宮下はさらに自分で自分に追い打ちをかけてしまうのだ。
「いるだけの芸人って必要なんですか?」
”じゃない方芸人”の存在意義を根底から問い直す疑問である。問いのあまりの鋭さゆえか、直接の回答は誰からもなく、その場にいた千鳥・ノブも「もうええわ!」とシンプルにツッコむほかなかった。
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