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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ラッパーPablo Blastaインタビュー

「一生消えない心の傷を負わせた」ラッパー・Pablo Blastaがアウトロー時代を包み隠さず歌う理由

角刈りで眉なしのヤンキーに誘われて始めたラップ

ーーヒップホップにハマったのはいつからですか?

「中学生の頃ですね。俺、自分の世界を突き進んでる人が好きで、ナードなヤツらとも仲が良かったんです。そのうちのひとりが洋楽とかいろんな音楽を俺に教えてくれて。当時の俺は音楽のことを全然知らなくて、ヒップホップはナヨついたナンパな音楽だと勝手に思ってたんです。けど、そいつがキングギドラの『公開処刑』(02年)を聴かせてくれて。かなり食らいましたね。『こんなこと言っていいの!?』みたいな。そこから50セントとかUSのヒップホップも聴き始めた感じです」

ーー実際にラップを始めたのは?

「16歳のときですね。ある日、知らない番号から電話がかかってきました。出たら、『君、ヒップホップ好きなんだって? 一緒にラップやらない?』って。しゃべり方が超ヤンキーなんですけど、流れで次の日に会うことになって。そしたら、角刈りで眉なしのめっちゃイカついヤツが原付で現れたんです(笑)。2ケツで隣町のそいつん家に行ったら、すでにMTR(マルチトラックレコーダー)とマイクがあって。マイクの先っちょをティッシュペーパーで包んで、マイクスポンジの代わりにしてたのが超印象に残ってますね」

ーーその人はどんな経緯でPablo Blastaさんにたどり着いたんですかね?

「ツーリング仲間に『ラップ好きなヤツ、いない?」って聞いて回ってたらしいです。それで俺の友達の誰かから連絡先を手に入れたみたい。でも、実は俺以外にもうひとり候補がいて、先にそいつに電話したけど出なかったから、俺にかけたと言ってました。もしも1人目が電話に出てたら、俺はラップをやってなかったかもしれないです」

ーー角刈りの相方はどんなラッパーだったんですか?

「カリスマ性も才能もすごいあるヤツでしたよ。俺らはすぐに地元で有名なコンビになりました。スタイルはリル・ウェインとディプロマッツの間みたいな感じ。リリックに関してはノリ重視で、あんまり意識してなかったかな」

ーーちなみに、Pablo Blastaさんは高校には進学したんですか?

「一応、通信制の高校をちゃんと卒業しました。でも、本当にどうしようもないとこでしたね。生徒が教室で普通にタバコ吸ってたり、トイレでセックスしたり。正直、あそこを高校といっていいのかってレベル(笑)。俺は俺で、当時はドラッグを売ってましたし。その金を高校の学費にしてたんですよ」

ーー悪いことをしつつ、ラップもしつつ。

「うん、高校時代はいろいろ並行してやってました。だから地元で俺らがライヴすると、悪いコネクションのヤツらもたくさん来ましたね。毎回300人くらいは集まったんだけど、喧嘩グローブをハメてるヤツとか、懐に刃物を忍ばせてるヤツがいっぱいいて、必ず客同士のトラブルが起こっちゃった。そしたら、地元のイベントには呼ばれなくなりました。集客力より、リスクの大きさのほうが目立っちゃったんでしょうね(笑)」

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