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日刊サイゾー トップ > 海外  > 新型肺炎で中国人差別が加速!
遠藤誉もだまされた!

【新型肺炎】コアラ食は真っ赤なウソ! 中国人への偏見あおるフェイクニュースにご用心

こちらが「樹熊」の正体。どう見てもコアラではない

 新型肺炎のパンデミックに世界中がおびえる中、メディアやネット上で伝えられる情報には、信ぴょう性の低いものも混在するようになってきている。

「関西空港から入国した武漢からの観光客に発熱の症状がみられたが、検疫を突破して入国した」

 TwitterをはじめとするSNS上では、一時そんな情報が拡散されたが、のちに関西空港検疫所が公式に否定。デマ情報であったことが確定した。

 中国人への理不尽な偏見を誘発しかねない報道も横行している。1月27日放送の『直撃LIVE!グッディ!』(フジテレビ系)では、訪日中国人客に密着。彼らの一部がマスクをしていないことや、飲食店で卓上の調味料を使用することを問題視したりと、まるで中国人全員を感染源と見なすようなVTRには、Twitter上でも「差別的だ」との批判が相次いだ。

 さらに、世界的に中国人への大きな偏見を生んでいる大誤報がある。それは「武漢の市場ではコアラが食用として売られていた」というニュースだ。

 1月22日に英「デイリー・メール」などが伝えたこの情報は、その後も各国のテレビやネットメディアも報じられ、Twitter上にはこの報道を信じた人々から「コアラまで食べるとは、なんて野蛮人なんだ……」「当然の報いだ」といった中国人批判が渦巻いている。

 日本のメディアでも、筑波大学名誉教授で中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏が、自身がYahoo!ニュースに寄稿した1月24日配信の記事「新型コロナウィルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?」で、「コアラ(中略)など野生の動物が『食品』として日常的に売られているようだ」と記している。

 しかし、冷静に考えてほしい。オーストラリアでも希少動物であるコアラが、中国の武漢で500グラムあたり70元(1,000円強)、しかも生きた状態で買えるはずもないことは、少し考えればわかることだ。

 この世界的な「コアラ肉報道」の根拠となったのは、ネット上で拡散されていた、武漢華南海鮮卸売市場の「大衆牧畜野味」という実在する店のものとされる商品の価格表だ。その中に、「活樹熊」つまり、生きたコアラが一斤(500グラム)70元で名を連ねていたのだ。

 しかし、中国華南地区の、こと食肉用語としては、樹熊はコアラ以外の意味がある。それは、新型コロナウイルスの宿主とも目されており、中国で昔から食用にされているタケネズミを指す言葉なのである。

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