【新型肺炎】封鎖の武漢から500万人が脱出!? 背景に検問突破を手助けする”脱出サービス”
#中国 #新型肺炎
中国で猛威を振るう新型コロナウイルス。感染者数は日に日に増加し、中国全土へ広まっていることを受け、当局は23日、発生源である湖北省武漢市を封鎖した。空港や駅が閉鎖され、高速道路は通行止め。公共交通機関も停止し、市民は移動の自由を奪われている。
また、同市政府は22日までに「同市からの悪意ある脱出に対しては『刑法第三百三十条規定:伝染病防治法』を適用する」と市民に向けて通達。同法に違反した場合は7年以下の懲役に処される可能性があることを強調した。
周先旺(ジョウ・シエンワン)同市長は26日の記者会見で「春節や新型肺炎の影響により、これまでに500万人余りが武漢を離脱した」と発表。これに対し、ネット民は「感染者が全土に拡散された」と戦慄している。
「南方都市報」(同27日付)も「武漢市が必要な緊急措置を講じず、これほど多くの人を全国各地に拡散させたことは、非常に残念な作業上の手落ちだ」と批判した。
上に政策あれば下に対策あり。何事にも抜け道を見出すのが中国人なのである。
香港メディア「東網」(同23日付)によると、客を武漢からこっそり脱出させる“密航”ビジネスが活況だ。あるネット民が投稿した画像には、トラックの荷台に人が次々と乗り込む様子が映し出されている。人を積め込めるだけ詰め込むと武漢を脱出し、郊外で下ろすのだという。まるで映画の世界だ。
とはいえ、普通乗用車でも脱出は可能だという。高速道路は通行止めだが、一般道を通れば検問を突破できるからだ。ただし、運賃は高騰している。通常だと、武漢から約130キロ離れた羅田県までクルマ1台をチャーターするのに300元(約4,800円)で済むが、現在は1800元(約2万9,000円)に相場が跳ね上がっている。相乗りの場合、あるドライバーは通常1人80元(約1,300円)のところ、現在は10倍の800元(約1万3,000円)を取っているという。「午前中だけで4往復した」とホクホク顔だ。
厳戒態勢の中、なぜこんなことが可能なのだろうか? 上海を拠点とする危機管理コンサルタントは、こう分析する。
「現地当局は、対応の遅れをめぐる政府への批判をかわすために武漢封鎖に踏み切ったのでしょうが、徹底してしまえば、市民からの不満が爆発する。すでに市内では野菜などの食品の価格が高騰していますし、加えて市内から一切出られないとなっては、暴動にまで発展しかねません」
中国政府お得意のダブルスタンダードということか。SARS(重症急性呼吸器症候群)の再来にならなければいいが……。
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