小泉進次郎&滝クリの“育休”に自民党内から皮肉の声…「子育て支援」で周回遅れな日本の政界
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小泉進次郎環境相が妻でフリーアナウンサーの滝川クリステルさんとの間で、第1子の誕生を受けて、3カ月で計2週間分の育児休暇をとると表明したことが大きな話題を呼んでいる。
小泉環境相の第1子が誕生したのは1月17日だが、2日前の15日に環境省の会合の席上で、第1子誕生後の3カ月で合計2週間分の育児休暇を取ることを表明した。小泉環境相はこの時、「公職を全うしながらどのような形で取得するか正直とても悩んだ。働き方改革にはトップダウンも必要だ」と述べた。
同日の記者会見で、菅義偉官房長官は小泉環境相の育休取得について「官民問わず男性の育児参加の促進に良い影響を及ぼすことを期待したい」とし、「男性の育児休業は取得しやすい職場風土、社会機運の醸成が大事だ」とした。
特別職の国家公務員である閣僚や国会議員には法律で定められた勤務時間や残業、休暇の制度がない。このため、小泉環境相は有給となる「育児休業」は利用できないため、期間や取り方は自身らの考えた「育児休暇」を取得する。
育児休暇中は、土日や祝日を含め、国会や閣議がない日に自宅で過ごし、丸1日の休暇や短時間勤務を組み合わせ、公務や危機管理に支障が出ないようにする。さらに、在宅中の環境省の打ち合わせはメールやテレビ会議で実施し、副大臣や政務官の代理出席も検討、自宅で仕事を行うためのテレワークも取り入れる。
第1子が誕生した17日、小泉進次郎環境相は閣議後の記者会見で育児休暇について「公務最優先、危機管理万全で育児休暇の時間を確保する」と方針を語った。菅官房長官は、「父親として育児に積極的に取り組んでいくのかなと思う」とし、加藤勝信厚生労働相は「影響のある人が自ら率先して育休を取り発信するのは育休の機運を高めていく」と述べている。
小泉環境相の打ち出した「育児休暇」の取得という判断には、おおむね好意的な反応が多い。ただ、自民党内でも「やむを得ない」との発言や、「環境相だからできること」といった“皮肉な”反応を示す議員もいる。「子育て支援」を推進し、少子化対策を進める政治の世界は、世の中の小泉環境相への好意的な反応に比して、“時代遅れ”と言わざるを得ない。
日本の政治の世界で育児に対する“新風を吹き込んだ”小泉環境相の取り組みだが、先進国の政治の世界から見れば、“周回遅れ”でしかない。
2012年10月26日に開催された第127回列国議会同盟会議では、「ジェンダーに配慮した議会のための行動計画」が全会一致で採択された。この行動計画の中には、「女性の権利を尊重する組織文化を育み、ジェンダー平等を推進し、仕事と家庭の両立が図れるよう、男女双方の議員のニーズと実情に対応する」ことが盛り込まれ、その具体例として「産前産後休業・育児休業」が掲げられている。
この会議を受け、議員規則の改正や育児を理由とした休暇、議会の議長による許可など手段は違いものの、先進国の多くは議員の育児休暇に対応している。
2017年11月22日、熊本市議会で緒方夕佳市議が生後7カ月の長男を抱いて本会議場に入り、乳児同伴で本会議に出席しようした。結局、緒方市議は議長や議会事務局員らに説得されて断念し、本会議は約40分遅れで開会した。
熊本市議会は、会議規則には乳児の同伴を禁じる定めはないが、議会傍聴規則は「傍聴人は、会議中いかなる事由があっても議場に入ることはできない」と定めており、長男を傍聴人とみなして同伴は認められないと判断した。
この問題でも、例えば米国の上院、イギリスの下院、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、議場への乳児の同伴について明文化された規定があり、カナダ、デンマークなどでは、明文化された規定はないものの、乳児の同伴が認められている。
つまり、日本の政治の世界は“発展途上国”だということだ。
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