もはや完全終了!? テレ朝『報ステ』社外スタッフの大量リストラの深層
#テレビ朝日 #報道ステーション
テレビ朝日が、夜の看板報道番組『報道ステーション』を支えてきたベテランの社外スタッフ約10人に対して、3月いっぱいでの契約終了を通知し、波紋を呼んでいる。
「リストラされるベテランスタッフは、反権力のニュース志向が強い面々。彼らを辞めさせることは、『報ステ』の自殺行為に等しい」(テレ朝系の番組制作会社プロデューサー)
『報ステ』といえば、昨年、テレビ朝日の早河洋会長の肝煎りで『報ステ』のチーフプロデューサー(CP)に抜擢されたと噂される桐永洋CPによる女性キャスターへのセクハラ行為が発覚。桐永CPは、8月30日に懲戒処分となったが、これが今回のリストラの遠因になったという見方もあるという。
「セクハラ行為をしたのは桐永CPにもかかわらず、早河会長はこの内部告発を苦々しく受け止めていたそうです。それで、告発したのはベテランの社外スタッフではないかと疑い、彼らの存在を疎ましく思っていたようです」(事情を知る関係者)
その後、『報ステ』では、安倍政権の「桜を見る会」に関する疑惑を連日報道。12月10日には、疑惑について説明がなされないまま国会が閉会したことを取り上げ、その締めの映像として、世耕弘成参院幹事長が「良いお年を」と笑う場面のVTRを流したが、これに世耕氏が、ツイッター上で「印象操作」と抗議。テレ朝は謝罪に追い込まれた。
「テレ朝の幹部が、水面下で世耕氏に謝罪したものの、世耕氏がそれをツイッターで暴露。結局、翌日の放送で富川悠太キャスターがお詫びしましたが、その後、番組のチーフプロデューサーは責任を取らされ更迭。さらに、局員5人が1月1日付で異動させられました。ちなみに、世耕氏のVTRを担当したデスクは、経済部に異動になったそうです。それだけではありません。昨年末、テレ朝は、この“世耕問題”に便乗して、10年以上『報ステ』に在籍するニュース班の社外スタッフ約10人にリストラを言い渡したのです。世耕氏のVTR編集に関わったのはテレ朝の社員だけなのに、です」(前出の制作会社P)
筆者は、この話を聞いて、2015年に『報ステ』でコメンテーターを務めていた元経産官僚の古賀茂明氏をめぐる降板騒動を思い出した。
当時、『報ステ』のメインキャスターを務めていた古舘伊知郎が、番組中、古賀氏にニュースの解説を求めたところ、「ちょっとその話をする前に」と前置きした古賀氏が突然、「わたしはこれが(番組出演が)最後ということなんですが……」と語り始めたのだ。
古賀氏は、菅義偉官房長官や官邸からの圧力を受けた早河会長や、古舘プロダクションの佐藤孝会長の意向を受けて、自分は今日を最後に番組を降板させられる、と主張。「I am not ABE」と書いた紙を掲げ、「裏で圧力をかけるのはやめてもらいたい」と訴えた。
番組中、古舘は「いまの話は承服できない。降ろされるというのは違う」と反論し、また、古賀氏のやり方には視聴者の賛否も分かれたが、テレ朝が、政府に批判的なコメンテーターを圧力に屈して降板させた、ということは疑いのないところだろう。この一件で、リベラルを気取っていた古舘の化けの皮も剥がれ、その後、富川に交代したが、早河会長は「古舘時代からの問題児がたくさんいるからなぁ」と周囲にボヤいていたという。
「早河会長は、『報ステ』をワイドショー的にリニューアルしたいと言っていますが、本音は政権とコトを構えず、視聴率を取りたいだけ。それには、反権力志向が強い社外スタッフは邪魔な存在だったのでしょう。テレ朝は、リストラする社外スタッフに、サイバーエージェントと共同出資しているAbemaTVの配信番組を紹介すると言っていますが、長年『報ステ』で活躍してきたスタッフが、バラエティ色やサブカル色が強いAbemaTVに対応できるか、はなはだ疑問です」(前同)
社外スタッフの“飼い殺し”が懸念されるが、他方、4月から、番組を支えてきた社外スタッフを失う『報ステ』。ライバル局の報道関係者からは「『報ステ』は終わった」という声もあがっているが、社外スタッフの大量リストラが本当に吉と出るのか、はたまた凶と出るのか、注目したい。
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