「テレビのウソ」を楽しむ、新しい地図
#SMAP #新しい地図 #テレビ日記
香取「知らないことを知るチャンスとして、みんなで盛り上げていけたらなと思います」
それにしても、新しい地図の面々がテレビに出演する際、しばしばSMAPの存在が匂わされる。たとえば、『充電させてもらえませんか?』でSMAPの曲がBGMとして繰り返し使われたり、草なぎや香取の発言内容が中居正広にそっくりなことを指して出川が「ホント似てるよね、SMAPって」と言ったりする。あるいは、旅で出会った一般女性が「ごめん、キムタク派なん」と言い、香取が爆笑するという場面もあった。
3人だけではない。10日の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)のゲストに堺正章が出演し、彼が所属していたグループサウンズバンド、ザ・スパイダースとその解散の話題に触れたときのこと。「スパイダースに入ったときから、早く抜けたかったんだ」という堺は、「あなたもそうでしょ?」と中居に問いかけた。中居は「そんなことないですよ。僕らグループでしたから」と応答。その後も「SMAP」というワードを一切使わずに、「グループ」という言い方でSMAPとその解散の話題がそれとなく語られた。
そんな場面をテレビで見ると、少しドキッとしてしまう。というのも、SMAPとその解散についての話題は、テレビの中でタブーのように扱われてきたからだ。その緊張感にワクワクする。緊張からの緩和ゆえか、笑ってしまったりもする。『笑ってはいけない』でブリーフ姿の草なぎが松本人志に「ズバリあなたは、草なぎ派、中居派、どちら?」と問いかけたときのように。
けれど、どこか不思議な話だ。そもそもSMAPをタブーにしたのはテレビである。そのテレビ自身がタブーを少し破った映像をお届けする。そんなマッチポンプの構造がここにはある。タブー破りにドキッとしたりワクワクする側も、本人や周囲のちょっとした言動からSMAPを暗示するメッセージを読み取ろうとする側も、そしてこの記事も、そんな構造に組み込まれている。
ただ、テレビの中にあらためて足を踏み入れた新しい地図の3人は、その状況をなんだか楽しんでいるようにも見えた。『スッキリ』でいえば、草なぎの「たまには麹町に来ないと」であったり、稲垣の「レインボーブリッジも渡りたい」であったり、そして香取の「2人とも調子いいです」というフォローであったりがそうだ。
かつてSMAPが総合司会を務めた2014年の『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)は、SMAPの”生前葬”をうたったり、”SMAP解散”をシミュレーションしたドラマが放送されるなど、フェイクドキュメンタリーの要素がふんだんに取り入れられた番組だった。そこで香取は最後にこう語った。
「テレビ大好きで、子どもの頃からSMAPで、テレビに育ててもらって、テレビから学び、テレビと笑い、テレビと泣き、この27時間中も笑ってたりとか、なんだよ、ふざけんなよとか言いながらも、すげぇ楽しいとこあったりとか、そういうテレビのウソが最高に楽しいです」
タブーを作る側がタブーを破る。そんな「テレビのウソ」を楽しむスターたちが、テレビに戻ってきた。これからも見ていたいなと思った。
最後に、『スッキリ』でパラスポーツの魅力を語る香取の言葉を。
「野球とかサッカーは、ルールとかを結構知ってるじゃないですか。だけどパラスポーツってホントに知らないことが多いから。ゼロから知れるっていう喜びもあったりして。みなさんも知らないことを知るチャンスとして、みんなで盛り上げていけたらなと思います」
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事