現在進行形ドラッグ漫画『マトリズム』で学ぶ、ヤク中の最新事情
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みなさん、あけましておめでとうございます。昨年は芸能界の薬物汚染の深刻さを象徴するような大物の逮捕が相次ぎましたね。大物ミュージシャンP、元ジャニーズのT、元うたのおにいさんS、5度目の逮捕となったコメディアンT、そして今年の大河ドラマに出演予定だった大物女優Sまでもが逮捕されたのは記憶に新しいところ。今年も、芸能界を騒然とさせるような逮捕劇はあるのでしょうか?
さて、今回ご紹介するのは、麻薬取締官(通称マトリ)をテーマとしたマンガ『マトリズム』です。「バカリズム」「ギタリズム」「ポリリズム」などに通じるポップな響きと遊び心を感じさせるタイトルが目を引きますが、内容はというと、日常に潜む薬物の恐ろしさを実に淡々と描いています。連載中作品という強みを生かし、現在進行形で最新の薬物中毒のトレンドが描かれているのが特徴。麻薬をテーマとした漫画って、短期連載モノや単発の実録モノが多いため、『マトリズム』のようにリアルタイム性のある作品は、ありそうで意外とないんです。
こんな感じで、大物女優の息子が覚せい剤使用で5度目の逮捕とか、リアルで起こりそうな事件をネタにしています。
作者は鈴木マサカズ先生。押川剛氏原作の『「子供を殺してください」という親たち』(コミックバンチ)なども手掛けられておりますが、生気をなくした人間、正気を失った人間、死んだ目をした人間の描写がすごく特徴的で、麻薬中毒者が大量に出てくる本作のテーマと画風がピッタリ合っています。
本作の主人公は気性の激しい金髪男・草壁圭五郎(画像右)。そして、草壁とは対照的で、常に冷静沈着で何を考えているかよくわからない冴貴(さえき)健一(左)。このクセのありすぎるマトリのコンビを中心に、ストーリーが進行します。
草壁は、態度の悪い容疑者がいると、すぐ手が出てしまうマトリの問題児。それもそのはず、草壁は麻薬の過剰摂取で妹を亡くしており、人一倍麻薬を憎んでいる男なのです。一方で、その草壁をいさめる役どころなのが冴貴。いさめるどころか、冷静な口調で草壁を挑発して、さらに怒らせることもしばしばで、こちらもかなりくせ者のキャラクターです。
冴貴も内に秘める麻薬への憎悪のようなものを感じさせますが、まだ詳細なバックグラウンドは明かされておらず、謎の多いキャラクターです。
本作のテーマになっているのが「誰もがみんな、“あちら側”に墜ちる可能性がある」というフレーズ。テレビの向こうのひとごとのようで、実は一歩間違うと明日は我が身となりかねない怖さが、ケース別に描かれているのが特徴です。
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