1億人超のフォロワーを抱える“ネット動画の女王”にスパイ疑惑?
#中国 #動画 #台湾
中国で“ネット動画の女王”と呼ばれ、1億2,000万人ものフォロワーを抱える超人気配信者パピ・ジャン(Papi醤)が昨年末、妊娠を発表。現地では大きな話題となったが、対岸の台湾では、ある1本の動画が原因で、彼女に対する非難の声が高まっている。
在米華字メディア・多維新聞(12月16日付)は、パピ・ジャンが設立したMCN(マルチチャンネルネットワーク/有名YouTuberと契約し、マネジメントを行う企業)「Papitube」に所属する配信者が突如、契約を解除され、この背景には政治的な力が影響しているのではないかと伝えている。
記事によると同14日、Papitubeに所属する台湾人動画配信者・Potter King(波特王)が、自身の動画に台湾トップの蔡英文総統を招き、動画制作を行うスタジオを案内する内容の動画をYouTubeに公開した。しかし、この翌日、Potter KingはFacebookを更新し「動画内で蔡英文氏を総統と呼んでいたことが原因で、Papitube側から契約解除する通知があった。しかし、私は土下座して謝ることなどしない」と書き込んだのだ。一方のPapitubeも、公式サイトで「Potter King氏の発言の中に認められない箇所があった。中国の名誉や、“一つの中国原則”を棄損することは許されない」と、契約解除の理由を説明している。
こうした中、台湾大手メディア「自由時報」(同17日)は、Papitubeを運営する自由自在網路会社が、中国国務院直属の投資会社・光広集団の子会社を介し、2017年に1.2億元(約20億円)の出資を受けていたことを報じている。政府系企業である光広集団だが、その実態は中国共産党のスパイ機関であることも指摘されている。昨年11月、党のスパイとして活動していた王立強が、オーストラリア当局に政治亡命を求める事件があったが、王はその際、光広集団の子会社に所属し、スパイ活動を行っていたことを明らかにしている。
こうした一連の報道もあり、台湾市民の間では「パピ・ジャンは、中国共産党のスパイ機関とも深い関係を持っているのではないか」という疑惑が強まっているのだ。
パピ・ジャンといえば16年に、彼女の配信する動画広告枠が2,200万元(当時のレートで約4億円)で落札され、中国国内で動画配信を行う若者が急増したきっかけとなるなど、その影響力は絶大。彼女ほどの配信者ともなれば、自らに向けられる世間からの疑惑の目すらもPVに変えていくかもしれないが……。
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