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日刊サイゾー トップ > 社会 > 政治・経済  > ゴーン逃亡、犯罪人引渡し条約の弊害

ゴーン逃亡で日本の孤立が浮き彫りに? 「犯罪人引渡し条約」米韓2カ国のみの弊害……米国は69カ国、韓国は25カ国と締結

レバノン政府は「日本に引き渡すことはない」と拒否

 日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、レバノン政府にゴーン被告の身柄を引き渡すように要請したが、レバノン政府は「日本に引き渡すことはない」と拒否している。レバノンではゴーン被告は“英雄視”されており、これで日本政府が同被告の身柄を合法的に、日本に取り戻す方法はなくなったと言える。

 さて、筆者が冒頭に述べた“危惧していたこと”とは、国外逃亡したゴーン被告の身柄を取り戻すことができなくなったことだ。ほとんどのメディアが、日本とレバノンの間には「犯罪人引渡し条約」がないという点を強調しており、“付け焼刃”の知識を披露している。

 しかし、日本が犯罪人引渡し条約を締結しているのは、米国と韓国の僅かに2カ国しかない。つまり、米国と韓国以外に国外逃亡された場合には、ゴーン被告と同様の事態が発生する可能性があるのだ。

 ちなみに、16年現在、米国は69カ国、韓国は25カ国と犯罪人引渡し条約を締結している。欧州では多数国間条約として犯罪人引渡し条約が締結されており、例えば、フランスは96カ国、英国は115カ国と締結している。日本の2カ国という締結国数は、世界的に見ても異例の少なさ。日本の締結数が少ないのには様々な要因があるが、最大の要因は死刑制度にあると言われている。

 筆者は、日刊サイゾー19年9月19日付の記事国民の8割が容認! 『凶悪犯罪は死をもって償うべき』世界から孤立する日本の死刑制度の中で、17年12月31日までで、死刑制度がある国は56カ国。死刑廃止国は106カ国、死刑制度のある国でも、過去10年間執行がされていない国が29カ国、軍法下の犯罪や特異な状況における犯罪のような例外的な犯罪にのみ、死刑を規定している国が7カ国あり、世界的に見て死刑制度が存続している国は少数派になっていると現実を紹介した。

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