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日刊サイゾー トップ > 社会 > 事件  > 急増する子ども型セックスドール

子どもへの性加害を「純愛」だと主張する小児性犯罪者たち、急増する“子ども型セックスドール”が新たな加害を生み出す?

小児性犯罪者は孤立することが多い

 斉藤氏の治療プログラムでは、同じ性加害者たちと自分の行動を正直に言語化したり、性加害にいたるきっかけとなる出来事を自覚する認知行動療法に取り組むことで、再犯を防ぐことを目指す。

「小児性犯罪者は刑務所の中でもいじめられたり、刑務所を出てからも孤立することが多い。他の性依存症患者の間でも、小児性犯罪者は『あいつらは頭がおかしい』と軽蔑されるということが、私が性依存症者の治療プログラムから小児性犯罪者の治療プログラムを独立させた大きな理由です。こういった社会的孤立は再犯への引き金になります。彼らの行為は子どもに大きなトラウマを植え付ける許しがたいものですが、厳罰を与えて監視するだけでは再犯は防げません。彼らに生きている場所を与えるためにも、小児性犯罪者向けの行動変容のための治療プログラムは必須だと私は思っています」

 こう話す斉藤氏は、小児性犯罪者に子どもに対する性衝動を与えるきっかけとして、児童ポルノが果たしている大きな影響についても警鐘を鳴らす。

「児童ポルノを見たことがきっかけで小児性愛的傾向に目覚めたという人は非常に多いです。写真(実写版)ももちろんですが、子どもと性交渉をする成人向けのマンガ(二次元)が大きなきっかけになっている人もいます。直接の被害者がいないマンガについては、表現の自由との兼ね合いで規制が見送られていますが、小児性犯罪者の認知の歪みに与える影響については、もっと社会がきちんと認識するべきだと私は思っています。今後は、その関連でエビデンスを出していきたいと考えています」

 さらに、現在ではVRによる児童ポルノ映像や、子どもの姿を模したセックスドールが出現し始め、小児性犯罪者に新たな性衝動を与えているという。

 子どものころの性被害は、少女が大人になってからも深刻な精神的・肉体的な影響を及ぼす。被害者を増やさないためにも、児童ポルノと表現の自由の兼ね合いについては、真剣な議論が行なわれるべきだろう。

「小児性愛」という病 ―それは愛ではない:斉藤章佳(ブックマン社)

最終更新:2020/01/06 17:29
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