キンコン西野、“炎の講演家” 鴨頭嘉人……YouTubeと自己啓発は相性がいい?
#YouTube #超YouTube学
テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽す「超YouTube学」。あの「マンガ動画」はどうやって作られるのか、YouTubeと自己啓発についてなど、さまざまなトピックを振り返る年間総括座談会です。
――今年盛り上がったジャンルといえば、以前の連載でも言及(参照記事)しましたが、マンガやアニメなどの「考察動画」だと思います。白武さんが手掛ける「しもふりチューブ」でも、『NARUTO』についての考察を動画にしてました。「考察動画」の魅力はどこにあるのでしょうか?
白武 『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が面白いのは、その人の熱があるからですよね。好きじゃないと、すぐバレます。考察系の動画は作品自体のファンが見てくれるので、新規の方も入っていきやすいですよね。作品に「謎」があるようなものは伸びますよね。YouTubeと相性がいい。
長崎 いま話題の『鬼滅の刃』の考察動画も結構あるね。
白武 『鬼滅の刃』で何を考察するの?
長崎 今後の展開を予想したり、作中あまり多くを語られていない伏線部分の考察ですね。
白武 ただ「考察」って、作品のファンの人が見るものだから、そこから考察の語り手のファンになるってことは結構難しいことだと思います。ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の考察をやってた人も、番組が終わったら、チャンネルの人気は落ちてしまう。例えば、RHYMESTER宇多丸さんの映画評論くらい形になって継続していかないとファンはつかないですよね。
長崎 けれど、今後も伸びるジャンルだとは思います。まとめサイトを見るより楽だしね。
白武 漫画といえば、マンガ動画の話もしたいね。
――アングラな都市伝説やスカッとする話をマンガにして、ナレーションをつけた動画ですよね。最近よく急上昇ランキングに上がっているのを見ます。
長崎 マンガ動画のチャンネルの運営をしている人に聞いた話だと、このジャンルは大人が組織で作るチャンネルの成功例ですね。ひとつのチャンネルに対して、たくさんの人が動いていて、作り方的にはテレビに近い。ネタ出し→台本制作→マンガ化→編集→ナレーション……みたいなフローでやっているそうです。制作期間はだいたい3週間から1カ月で、モノにもよるけど、20万円はかからない。YouTubeマンガの作家を斡旋してくれる会社もあるので、そういうところとうまく交渉すると、10万円くらいで作れる。
――それで何十万再生もされるのであれば、コストパフォーマンスはよさそうですね。
長崎 ただ、収益化されるまでは時間がかかります。それまでは赤字を垂れ流すしかないので、資本のある大人が組織でやるんですよね。
白武 こればっかりはギャンブルですね。流行ってるからって手を出しても、そこは競争ですから。
長崎 ただ作ればいいってわけじゃなくて、YouTube的なテンポだったり絵のクオリティだったりも重要視されるので、よく知らないのに見様見真似で始めてうまく行かないケースも増えてきてます。「アシタノワダイ」(※1)や「テイコウペンギン」(※2)はうまいですよね。
白武 「フェルミ研究所」(※3)や「ヒューマンバグ大学」(※4)が、トリビアを面白くマンガに落としこむ手法を確立して、それに皆が飛びついたっていう。
長崎 ダークな「ヒューマンバグ大学」とイイ話を集めた「エモル図書館」(※5)は同じ運営なんですよね。これもうまい。企業の大人たちはこれまでずっとYouTubeに参入したかったけど、うまくいかないケースが多かった。そこにマンガ動画という大人が作った成功例が生まれたのは大きいですね。
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