男根生い茂る、性なるパワースポット「チョンジョン彫刻公園」
#韓国珍スポ探訪記
そしてこの部屋には、すべての男根像を創った彫刻家の紹介が掲げられている。彼の名は高明圭(コ・ミョンギュ)。現在76歳の彼は、この町で現在も創作活動を続けているという。ベレー帽をかぶり腕を組むお写真から、あふれる精気がムンムンと伝わってくる。
ひとまず彫刻公園は十分すぎるほど堪能したが、まだバスが来るまで1時間以上もある。暖房の効いた食堂で伝統茶を注文し、しばらく待機することにした。
食堂には店員のお兄さん以外誰もおらず、長居するには気まずかったが、彼(聞いたら食堂のオーナーだった)も気を遣ってくれたのか暇なのか、「食べてみなさい」と植物の根っこのようなものを私によこし(かじってみたら根っこの味がした)、あれこれ話しかけてくれた。おかげで私も、この不思議なスポットについて聞くことができた。
このサービスエリアが誕生したのは26年前。当時は展示館にあるような木の像ばかりだったが、耐久性の問題により近年このような石像に代わったのだという。男根像は一体いくつあるのか聞いたが、話をはぐらかされ教えてくれなかった。きっと誰もわからないのだろう。
彼の方も、自動車ではなく徒歩で現れた日本人のことを面白がってくれ、「食べてみなさい」と言っては、店の商品であるジャガイモのチヂミをサービスしてくれた。チヂミを見たらマッコリが飲みたくなり、麟蹄郡特産・トウモロコシのマッコリを購入。焼きたてのチヂミも香ばしいマッコリもむちゃくちゃ美味しく、どんどん楽しくなる私がいた。麟蹄も男根も最高だ。
そろそろバス停に行った方がいい時間になり、それでは……と立ち上がろうとしたところ、「これも食べてみなさい」と、今度はメニューにない川魚のスープをよこしてくれた。サービスがいいのにもほどがある! もうどうにでもなれと思いながら全部平らげ(うまい)、お礼を言ってバス停へと急いだ。
来た道を早足で戻るが案の定、バスの出発時刻には間に合わず。遠くに点のように見えるバス停から出発したバスは、私の方に向かってぐんぐんスピードを上げる。通り過ぎる瞬間、これは雨の中さらに2時間待ちか……と思いつつ試しに手を挙げてみたら、バスは私の前でキュッと急停止した。タクシーかよ!
田舎の人々の自由な優しさに触れた、今回の探訪。珍なるスポットに出会うことは、人間に出会うことなのではと、思いを深めている。
●チョンジョン彫刻公園
住所 江原道麟蹄郡南面雪岳路10(於論里497)
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