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日刊サイゾー トップ > 社会 > 政治・経済  > 日本版カジノ構想に暗雲?

日本版カジノ構想、外資や地方自治体の相次ぐ撤退で大きな分岐点に

イメージ画像/出典:GAHAG

 日本版カジノと言われるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)構想が大きな曲がり角を迎えている。有力候補の一つと見られていた北海道・苫小牧市へのIR誘致について、鈴木直道・北海道知事が誘致を見送る決断をした。

 日本への進出を狙っていた海外のカジノ運営会社の中からは、日本進出を断念するところも出ている。自民党の秋元司衆院議員はIRへの参入を検討していた中国企業関係者との関係で、東京地検特捜部の捜査対象となっている。

 11月29日の北海道議会、鈴木知事は「苫小牧へのIRの誘致を見送ります」と発表した。安倍晋三政権が進める日本版カジノ構想に対して、有力候補地が初めて「ノー」を突き付けた。

 国はIRの第一弾を2021年1~7月の申請受付としている。申請の中から認可されるのは最大3地域。関東に1つ、関西に1つ、地方に1つが既定路線と言われているが、訪日外国人数やIR開設場所のバランスからも、北海道は有力候補と見られていた。

 北海道では道内でIR誘致に3地域が名乗りを上げた。このうち、新千歳空港にも近く、用地確保ができる苫小牧市を候補地として選んだ。

 苫小牧市では、10月の臨時市議会でIR誘致を推進する決議案を可決し、誘致に向けIR計画の検討を進めている。道内4経済団体も誘致を求める宣言を北海道に提出、すでに海外の複数のカジノ運営会社も苫小牧市に事務所を設置している。

 北海道の試算では、IR開業時の投資額は2,800~3,800億円、年間840万人の集客を見込み、年間売上高を1,560億円と試算、1万人の雇用を期待している。

 IR誘致見送りの理由を鈴木知事は、「候補地は希少な動植物が生息する可能性が高く、区域認定までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能」と説明している。

 だが、北海道が9月に行ったIR誘致に関する道民の意識調査では、「不安」「どちらかといえば不安」と答えた人が3分の2に上った。さらに、議会においても最大会派の自民党・道民会議をIR誘致で一本化できなかったことも、誘致見送りの方向に作用した。

 ただ、鈴木知事は誘致見送りにあたって、今回の決定は見送りであり、「来るべき時には挑戦できるよう、所要の準備をしっかりと進める」としている。国は、第一弾のIR開設を3カ所としているが、「7年後に見直す方針」だ。早ければ、2028年に北海道が再びIR誘致に乗り出す可能性が残った。

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