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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『死霊の盆踊り』ほか珍作映画
江戸木純×叶井俊太郎のサイテー映画対談

サイテー映画との出会いは人生を大きく変える!? 『死霊の盆踊り』ほか映画史に残る珍作奇作たち

今、なぜエド・ウッド映画なのか?

エド・ウッド監督の代表作『プラン9・フロム・アウタースペース』。総天然色化されており、一度観た人も新鮮な気分で楽しめる(はず)。

叶井 『エドウッド』で描かれて、有名になった『プラン9・フロム・アウタースペース』も劇場公開するんだ。江戸木純というペンネームは、エド・ウッドが由来なわけでしょ。エド・ウッドが好きなんですね。

江戸木 「死霊の盆踊り』は映画を売るサラリーマンの仕事としてのベストを尽くして、最善の結果になったと思う。でも、決してサイテー映画が大好きで、サイテー映画ばかり観ているわけじゃないから(笑)。まぁ、『死霊の盆踊り』はこれまでに50回以上は観て、愛着はあるよ。江戸木純は確かにエド・ウッド・ジュニアから思い付いたペンネームなんだけど、売り込んだ雑誌や出版社から原稿も書いてくれと頼まれて、会社員だったから本名を名乗ることができず、便宜的に付けた名前。エド・ウッド作品は『死霊の盆踊り』以外は観たことがなかったのに、いつの間にか「江戸木純」としての仕事が僕の本業になってしまった(笑)。

叶井 でも、なんで今、『死霊の盆踊り』と『プラン9』なの?

江戸木 サイテーの時代だから、サイテーな映画で盛り上がってほしい。というのは冗談だけど、時間をかけて準備していたものがこの年末にたまたまできることになった。『死霊の盆踊り』は日本公開から32年とすごく中途半端なんだけど、カラーライズ化された『プラン9』も一度きちんと劇場公開したいとだいぶ前から計画はしてた。2018年は僕が日本に紹介したインド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)の4K版を公開したんだけど、これがけっこーしんどかった。インド映画界と仕事するのは、なかなか大変なの。その分、面白い体験もいっぱいするけどね。『ムトゥ』の権利を買うためにインドに渡ったときも、プロデューサーがサイババの信者で「君たちが日本から来ることはサイババが予言していた。この映画は日本で必ず大ヒットする」と言われた。そのときは「大丈夫か、この人」と思ったけど、本当に大ヒットしたからね。インド映画は配給自体が一種の神秘体験でもあるんだけど、いろいろと体力や神経をつかう。『ムトゥ』がひと段落したことで、ようやくこの2本の上映ができることになったんだ。

叶井 今回の『死霊の盆踊り』と『プラン9』の売りは何なの?

江戸木 これまではスタンダードサイズで上映されていたんだけど、もともとは横長のビスタサイズで上映されることを前提にして撮影されていたもので、初めてのビスタサイズでの一般上映。横長のビスタサイズで観ると、案外計算された映画だということが分かる。裸で踊っているダンサーたちも当時の米国のストリップダンサーたちで、けっこうレベルが高い。猫のコスプレで踊る女性がいるんだけど、作家の岩井志麻子さんのコスプレ姿にそっくり。岩井さんのコスプレは、『死霊の盆踊り』の影響じゃないかな?

ー1980年代に流行ったミュージカル『キャッツ』だと思います。

江戸木 そうか。でも、「キャッツ』の元ネタは『死霊の盆踊り』だという説もある。『キャッツ』も『死霊の盆踊り』もストーリーはほぼ同じ。ただ、猫が踊っているかトップレスダンサーかの違いくらいだよ(笑)。

叶井 『死霊の盆踊り』も実写版『キャッツ』も、気持ち悪いという点ではよく似ているよね。

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