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『灘校物語』出版記念特別コラム

お上からばくちの権利を得て稼ごうとする、頭を下げることを忘れた政治家たち

『灘校物語』(和田秀樹・著/サイゾー・刊/定価1600円+税)

※本記事は『灘校物語』(小社刊)の出版を記念して、「まぐまぐ!」にて9月14日に配信された「和田秀樹の『テレビでもラジオでも言えないわたしの本音』」(https://www.mag2.com/m/0001686028.html)を加筆修正し、再掲載したものです。

◇ ◇ ◇

 先週の「sakidori」(文化放送)で拙著『自分から勉強する子の育て方』(大和書房)について紹介した。もともとは「塾任せは子どもをつぶす」というタイトルで出したかったのだが、こんなタイトルにされてしまった本だ。これについては、2週間前のメルマガで言いたいことを書いているので、そちらを参照してほしいが、案の定、「それではテクニックじゃないか?考える力がつかない」という批判が、番組ツイッターにきた。

 テクニックで何が悪いのだろう?

 子どもというのは、それがテクニックであっても、いい点をとると勉強をやる気になるし、自己評価もあがる。逆だと勉強は嫌いになるし、自己評価も下がる。できない問題を考えても、できないことを思い知るだけで、考える力などつくはずがない。

 こういう根性論がいまだに幅を利かせているから、子どもの多くは受験勉強にルサンチマンをもつ。そして小学校も中学校も大学も受験していないような総理大臣を支持するようになる。その間に学力で韓国や台湾や中国にさらに大負けして、20年もすれば三等国になりかねないのに。

 朝日新聞もたまにはいいことを書くと思った記事、しかも、一面にあった(9月6日朝刊)。筑波大などの研究チームが、愛知県に住むもともと要介護認定を受けていない65歳以上の男女約2800人に協力してもらって、10年間の追跡調査を行った。結果的に、運転をやめた人は続けた人に比べて要介護になるリスクが2.09倍だったという。活動が減ってとのことだが、もともと私はそう思っていたが、ちゃんと統計を取る人がいて嬉しい。こういうまともな学者は医学部にはほとんどいない。動物実験ばかりやって、人間にも当てはまると信じるアホがなる仕事が大学医学部の教授というものだ。

 私は高齢者から免許を取り上げるのは財務省の陰謀だと考えている。多少介護費用がかかっても、2~3年早く死んでくれれば年金財政が浮くからだ。

 さて、上皇后が乳がんの手術を受けたというニュースが入ってきた。早期の乳がんで、がんだけ摘出して早くも退院し、外出もできているという。めでたしめでたしのような報道だが、私はこの歳のがん患者に手術をするのは反対だ。ましてや今年の6月に心不全の徴候がみつかり、息切れもあったというのだ。高齢者の場合、がんの進行も遅いし、がんだけをとる手術でも、それなりに体力を奪う。

 痩せるサプリの健康被害をワイドショーが大々的に報じていた。主にネット広告を行っていたサプリらしい。本当に痩せる人がそれなりにいたそうだから、食品というより、かなり危険なものであったのは確かだ。ただ、このサプリ会社がテレビ広告を打っていなかったから叩いているように思えてならない。要するに、みかじめ料を払っていなかったということだ。

 この薬の危険性のついでに、ネット広告の危険性も話題にしていた。本当に汚い。

 そもそも痩せるほうが6年から8年早く死ぬのだから、痩せさせることそのものが健康被害である。それなのに、世界の潮流に反して痩せすぎタレントを使い続け、痩せることが美しいような勘違いをさせ、人々を早死にに追いやっている。

 それだけでなく、若い(若くない人もいるらしいが、それでも平均寿命の半分くらいだ)女性を毎年100人くらい餓死同然の死に方にさせている。痩せ願望が拒食症につながるから、各国で痩せすぎモデルの追放をしているし、その使用者の処罰までしているのに、日本はテレビと芸能プロダクションがグルになって痩せすぎを使って喜んでいる。そんな奴らに命の大切さなど論じてほしくない。

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