米軍では入隊制限への反発も! 我が国ニッポン「自衛隊とLGBT」の知られざる現状
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自衛隊に求められるのは「一定のルール作り」
現状で自衛隊に求められるのは、トランスジェンダーの隊員の入隊や、在籍時の手術・性別変更等への対応について、一定のルールを設けることだろう。
「自衛隊は何から何まで規則で動き、例外を作りたがらない組織です。上に明確なルールができれば、上官によって対応が異なる問題も解決するのではないでしょうか。また『性別を変えてから入隊する』という選択をする人が出てくれば、女子大がトランスジェンダーの入学について検討を始めているように、自衛隊も何らかの対応を始めると思います」(大谷氏)
将来的に幹部になる自衛官の教育などでは、「LGBTについての授業も行われるようになったと聞いています」と松﨑氏。なお日本政府と自衛隊のかかわりにも注視する必要がある。
「政府は女性活躍推進政策のアピール材料として、自衛官の女性比率増加を掲げています。それと同様に社会的なイメージアップ戦略として、自衛隊にLGBTに関する制度を設けたり、採用した隊員を広報宣伝に活用していくことも考えられます」(菊地氏)
ただ、それがイメージアップにとどまるもので、実態が変わらなければやはり問題だ。
「ゲイフレンドリーを積極的に打ち出し、パレスチナ人への人権侵害の事実を覆い隠すイスラエルの政策が『ピンクウォッシュ』と非難されたのと同様のことが、自衛隊で起こる可能性があります。また自衛隊とLGBTの関係は、『男性がマジョリティを占める組織にLGBTが参入することで本当に差別はなくなるのか』『そもそも戦闘も行う組織に加わるべきなのか』といった観点や、自衛隊の存在をどう捉えるかも含めて議論すべきです」(菊地氏)
男性原理が強く支配する自衛隊と、LGBTの関係を考えること。それは日本社会の問題点や課題と向き合うことにもなるのではないか。(月刊サイゾー9月号『新・戦争論』より)
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