『ガイアの夜明け』大戸屋のブラック体質をしれっと告発?
#大戸屋 #飲食チェーン
10日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)が大手定食チェーン・大戸屋に密着。「残業を減らす!45時間の壁」が放送された。今年4月から大企業では時間外労働の上限規制が導入され(中小企業は2020年4月から)、月45時間まで(特別条項でも6カ月まで)と法律で定められたが、飲食業界では人手不足による長時間労働が常態化しており、大戸屋もその例外ではない。そんな中、どのようにして働き方改革に取り組んでいるのか、番組では3店舗の店主に120日密着したのだが、企業イメージアップどころか「ブラック企業ぶりを喧伝しているだけ」と視聴者からツッコミが殺到している。
大戸屋は国内外で約500店舗を営業。創業当初から店内調理にこだわり、おふくろの味を提供してきた。最近は、手ごろな値段で日本食を楽しめると外国人観光客からも人気だが、今年2月に“バイトテロ”が発生したことをきっかけに、全店舗一斉休業を余儀なくされ、3月の売り上げは7.5%減。これを挽回しようと4月からはメニュー刷新し、1000円以上のメニューを増やすなど値上げを図ったところ、客離れが進み、11月に行われた2019年9月期の中間決算では上場以来初の営業赤字に転落した(参照記事)。そんな中、時間外労働是正も求められ、苦境に立たされている。
大戸屋トップクラスの繁盛店・新宿東口店の店主(41)は、時間外労働規制反対派。「働いている以上、少しでも会社に貢献したい」と、身を粉にして働くことに美学を見いだしている。「入社以来、残業時間が45時間以下だったことはない」といい、15時間労働も日常茶飯事。7月の時間外労働は70時間、8月は74時間と、大幅に制限を超えてしまっている。新宿エリアでは外国人留学生の労働力が頼みの綱となっているため、この店舗でも20人超の外国人アルバイトを雇っているが、彼らは入ってもすぐにやめてしまうケースが多く、その穴を埋めるために自身が働かなければ店が回らないのだ。
一方、中野北口店店主(43)は、「決して(会社の)奴隷じゃない」と時間外労働規制に大賛成。“時間は買えるもの”という信念のもと、1時間単位で単発バイトを派遣する「タイミー」を利用して労働力確保を図るが、タイミーでやってくるバイトにはその都度、仕事を教えなければならない。結果、仕事は減るどころか増え、7月は56時間だった時間外労働が8月には89時間に。店からは活気が消え、売り上げも低迷してしまった。
吉祥寺店店主(43)は、「時間外労働は必要なら自ら実行」派。部下に仕事を教えるのが苦手で、バイトでもできる仕事を自らこなしている。7月の時間外労働は71時間、8月は62時間。「残業代ありきで家のローンを組み、子どもたちを私立の学校に通わせている。それがカットされたら食べていけない」と不安をあらわにする。
法律に抵触しないよう店主たちに時間外労働是正を求める社長だが、その口から出てくるのは精神論や根性論ばかりで、現場が抱えている根本的な問題は見えていないようだ。
「目が死んでるんだけど。本気でやってるように見えない」
「結局、空回りなんだって、努力が」
「このままじゃ店はつぶれるよ」
社長は学生バイトから繁盛店・渋谷店の店主まで昇り詰め、44歳で社長に就任したたたき上げ。「大戸屋戦士」として、時間外労働など気にせず、がむしゃらに働いてきた。しかし、そんな働き方は今の時代に適応していないと、複雑な表情を浮かべながら店主たちに「大戸屋に対する愛情に甘えてはならない」と檄を飛ばすが……。
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