スニーカー中毒者を量産する中国「ファッションアプリ」の裏事情
#中国 #アプリ #サイゾーpremium
「真贋判定」が、高額取引を担保した
この毒(運営会社:上海识装信息科技)が生まれたのは、中国ならではのユニークな背景がある。
それは、スポーツ関連のネット掲示板「虎扑」にさかのぼる。その運営者はスニーカー関連のネット掲示板の中で、ブランドの偽物を見破ることができるユーザーが、人気者になっている事象に目をつけた。
中国では、人気ブランドの商品はすぐに偽物が出回ってしまう。
そこで2015年、彼らは高級な希少スニーカーが本物か偽物か、専門家によって「真贋判定」するというサービスを思いつく。そのような鑑定機能を持ったスニーカーの売買プラットフォームを築き上げて、そこでなかなか手に入らないレアスニーカーなどを、安心して取引できるようにしたのだ。
この仕組みが、革命的だった。これまでに真贋判定を受けたスニーカーは、2000万足以上に上るといわれている。それだけの取引量が生まれているのだ。
毒の出品者たちは、自分が売りたい未使用のスニーカーを、まず運営側に発送する(任意)。そこで外箱からスニーカー本体まで、専門家のチェックを受けた上で、本物であれば「証明書」を受け取ることができる。
1足あたり数万円から数十万円するスニーカーの価格を考えれば、このチェックサービスは役に立つ。そして毒は、自らのプラットフォーム上の売買時に手数料を取ることで利益を上げている。
ちなみに中国においては、女子のスニーカー熱も負けてはいない。「毒」は男性ユーザーがとても多いことで知られているが、競合アプリである「nice(ナイス)」などでは、たくさんの女性たちが自慢のスニーカーを披露しあっている。
そして欲しくなったら、まるで株価チャートのようなスニーカーの価格推移をチェックしながら、ここぞというタイミングで購入することになるのだ。
こうしたスニーカー特化型の人気アプリが、中国にはいくつもあるのだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事