アイドルがリアルを歌う本当の理由 逃げ道を作らねば発売できず! 平成以降のアイドルと反戦歌
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昨今のアイドルと反戦歌の距離感
SMAPが05年に発表したシングル「Triangle」は、ファンの間でも「平和を祈る反戦ソング」として愛されている。当の本人たちは、それをわかって歌っていたのかが気になるところ。
前述したAKB48「僕たちは戦わない」が発売された15年は、奇しくも国会では戦争法案の審議中。明らかに矢面に立たされそうな雰囲気も感じられたが、「発売初日で売上枚数147万枚!」という、ありきたりのニュースがネットを騒がせた程度であった。
「レコード会社としては、反戦歌であることのイメージを与える販売促進はしません。平和を祈願する前向きな曲であった場合、それは日常生活へ対する考えとも取れますし、戦争を連想させるワードが散見された場合は、その言葉を抜き出したプロモーションもしないのがほとんどです。『僕たちは戦わない』は、『これは反戦歌では?』と一部ネットで話題になりましたが、炎上すれば静観する、もしくは逃げ道を説明する。評価されれば、『そうした側面も持ち合わせているかもしれない』という言葉を残しておけばいい。今の日本におけるアイドル、ひいてはアーティストが歌う反戦歌との距離の保ち方は、そのようなスタンスではないでしょうか」(A氏)
アイドルが反戦を歌う、社会的メッセージを歌う意義とは、いったい何なのだろうか?
「戦争はもちろん、原発事故による放射線被害でも、当事者は国や社会に対して意見を述べられますが、第三者は静観するケースが多い。しかし、アーティストは創造性を持って、あらゆるテーマに意見を持ち、メッセージを発信していかなければならない。それがたとえアイドルという形態であっても、歌で表現することが自然であると私は考えています」(高橋氏)
SKiのような「主張するアイドル」は、楽曲や活動を通じてメッセージを発信し続けている。継続は力なり――いつか、日本にもエンタメという側面を生かした、物怖じせぬアイドルが誕生するのかもしれない。(月刊サイゾー9月号『新・戦争論』より)
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