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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > オードリー若林と草薙の葛藤
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

オードリー・若林から宮下草薙・草薙へ受け継がれる「自意識過剰芸人の葛藤」

宮下草薙・草薙「センスあるコンビはこういうのだっていってやってたんですけど、ずっとツラかった」

 加齢がもたらすのは、体力の低下と内面の変化だけではない。周りとの関係も変化する。『あちこちオードリー』で、若林は語る。

 スタジオの中で自分が一番若手の時期は、そう長くない。5年ぐらいすると下から後輩が出てきて、先輩にイジられ始める。しかもMCには先輩芸人がいる。そんなときの自分の振る舞い方は難しい。後輩と張り合うのも大人げない気がする。

 こんな悩みを、若林はウッチャンナンチャンの南原清隆と2人でぜんざいを食べたときに話したらしい。南原からは、次のような答えが返ってきたという。

「前線から下がってパスを出したり、フォワードが決めきれないときに上がってってチョンっと蹴ってまた下がるとか、っていう時期がくるんだよ」

 先輩がまだ第一線を張り、若手も台頭してきている。その中で、一歩退いたところに自分が仕事をするポジションを見つけなければならない。自意識との呪縛から逃れ、40歳を越えた若林を待っていたのは、周りを生かしつつ自分の存在感を示す、そんな新たなミッションだった。

 青年期を抜け出し、中年期を乗り越えようとする芸人の軌跡を、若林はメディアでさらす。

 さて、こんな先輩たちの話を、いま売り出し中の若手芸人が聞いていた。宮下草薙だ。11月30日の同番組では、草薙が「話聞いてて、ずーっとみんな悩んでんだなって思った」と、若林ら中堅芸人の悩みをブッタ切った 。

 草薙は、テレビに出始めた当初は人見知りの度合いが尋常ではなかった。カメラに寄られることを嫌がり、トークの際も、目も開いているのかわからないほどだった。それが1年ほどで顔が柔和になり、カメラを向けられてもさほど避けなくなった。目が開いている場面も、よく見るようになった。

 そんな宮下草薙が7日の『ゴッドタン』(テレビ東京系)に出演。コンビの関係について語っていた。フリーの芸人として活動していた時期、草薙はなぜか宮下を避け、ほとんど口を聞かない時期があったらしい。ダウンタウンなどに関する断片的な情報から、「センスがあるコンビは、お互いに話さないもの」と思い込んでいたのだという。それであえて冷たい態度をとっていたが、本心は違ったようだ。

「センスあるコンビはこういうのだっていってやってたんですけど、ずっとツラかった」

 草薙は1991年生まれで、現在28歳。あと10年ぐらいたつと、若林のような悩みを抱いたりするのだろうか。それとも、また違う道をたどることになるのだろうか。

 あと、3日の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で強烈な母親の存在が明らかになった、宮下の今後も気になるところだ。かつての若林のように、目立つ相方の横で独自の存在感を発揮し始めるのだろうか。そして彼の母親は、現在アンガールズ・田中の母親が独り勝ち状態にある“芸人の母親界”に、どんな旋風を巻き起こすのだろうか。

……って、なんだその界。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2021/09/21 10:18
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