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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “バズる学生芸人”に聞く

学生お笑いブームも我関せず……“バズる学生芸人”がコントライブをやる理由

――青木さんはTwitterのフォロワー数も多くて、発信力もあると思うのですが、普段そこは意識してSNSを使っていますか?

青木 半年くらい前までは、「ちゃんとTwitterやらなきゃ」「面白いことつぶやいていかなきゃ」っていう気持ちでいたんですけど、そんなに気にしなくてもいいかな、と思ってきました。

――Twitterの何万「いいね」より、目の前のお客さんを笑わせるほうが喜びは大きいですか?

青木 それはもう断然。Twitterでバズることへの快感は、ほんと全然ないです。自分たちのコントの映像やラジオの音源に反応があるのはうれしいですけど、それ以外の日常のつぶやきに対する反応についてはほとんど思わないです。

――「Twitterでバズりたい」「面白いと思われたい」と考えている人もいっぱいいると思うのですが、その感覚はない?

青木 俺の場合は、日記みたいに使ってるだけなので。自分の身の周りの人がどれだけ面白かったかを、淡々とつぶやいてる感じです。「自分の考えた渾身のネタツイート」みたいなものとは違うんですよね。俺自身がこの楽しかったことを忘れたくないんだっていうものを、記録として書いてます。

――じゃあ、実際の活動とSNS上の自分は切り離して考えたいですか?

青木 いや、窓口としては大事にしていきたいと思っています。ラジオの仕事とか、映像の仕事とか、たまにいただけるようになってきたので。

――青木さんは現在大学3年生ですよね。卒業後の進路については、どう考えていますか?

青木 ずっとお笑い芸人になりたかったけど、煩悩教会でライブをやってみて、その欲は満たされてきたような気がします。このまま定期的にコントライブを続けていって、ちょっとずつでも大きくしていきたい。「芸人」という職業より、煩悩教会を頑張っていきたいという気持ちが強いです。

 それとは別に放送作家をやってみたい気持ちもあるし、少し前にコピーライターの仕事も頼まれたんですけど、そんな感じで、いろんなことをやっていけたらいいですね。そういうのって、なんていうんですか? フリーランスってことでいいんですかね。

――どこかの企業に勤めて、副業としてやっていくというやり方もありますが。

青木 今、毎日朝9時から12時に家の近くのでっかいドトールに行って、そこにこもって読書したり映画観たりコント見たり書いたりっていう作業をしてるんですけど、その時間が最高すぎるんですよ。それなくなっちゃうのが嫌だなって(笑)。

――周りから「ちゃんと就職したほうがいいんじゃない?」とは言われませんか?

青木 そういうちゃんとした考えをする人が、周りにいないです(笑)。これはわがままだとは思うんですけど、嫌いなことをやってお金持ちになるなら、好きなことだけでギリギリで生きる方がいいっていう思いが、めっちゃ強いんですよ。作家の坂口恭平さんの暮らし方とか、すごく理想です。

――お金を稼ぎたい、あるいは有名になりたいという欲は、そんなにないのでしょうか?

青木 もちろんお金は欲しいですし、有名にもなれたらうれしいですけど、何を幸せの第一に置くかって考えた時に、「周りにいる人たちと楽しく生きたい」っていうのが一番だったんですよね。自分の大学生活3年間を通して、だんだんそれがわかってきました。「面白いことをやりたい」ってことは「芸人になりたい」ってことか? と思ってコントをやってみたり、その結果、芸人になりたいというよりは「楽しい」ということ自体が大事だったんだって気付いたり。

「面白いと思ったことを残しておきたい」と思ってTwitterを始めて、フォロワーが増えたけど、それ自体には喜びは感じない。それよりも、ツイートを読んで面白がってくれた人たちと、仕事やプライベートで関わり合って生きていくことのほうに価値があるかもって思えてきたのもそうですね。卒業するまでに、なんとなくこの先どうやって生きていくかの基盤を整えたいと思ってたんですけど、いろいろやってみて、今はそんなふうに思うようになってきました。

――学生の時点で、そこまで考えが固まってるのはすごいです。

青木 でも数カ月後には、また考えががらっと変わってるかもしれないです。だって俺、数カ月前までパイロットになりたいって思ってたんで(笑)。

(取材・構成:田中春香/編集:斎藤岬)

●青木宏樹(あおき・ひろき)
1999年生まれ、東京都出身。上智大学3年生。
@aokiaokiaoki111

最終更新:2019/12/12 14:30
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