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【おたぽる】

ガイナックス社長逮捕報道の「エヴァ制作の…」に違和感 だが、今のガイナックスには「なにもない」

【おたぽるより】

 声優志望の10代女性にわいせつな行為をしたとして、アニメ制作会社・ガイナックスの社長・巻智博容疑者(50)が5日、準強制わいせつ容疑で逮捕された。

 巻容疑者は今年2月、「プロダクション女子寮」と称する足立区のマンションの一室で声優志望の女性に対し、「芸能人として写真を撮られるための訓練」と言って上半身裸の写真を撮影したほか、マッサージと称して身体を触った疑いがかけられている。警視庁の調べに対し、巻容疑者は「お願いされて撮影した。事実は違う」と容疑を否認している。

 この報道に対し、各メディアはガイナックスを紹介するにあたり<エヴァ制作の~>という言葉を用いているが、『新世紀エヴァンゲリオン』もとい『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の権利関係は庵野秀明が代表取締役社長を務めるカラーに引き継がれているため、事情を知っているアニメファンは違和感を覚えているようだ。ベテランアニメーターの平松禎史氏も「現在制作中の映画が不安視されかねない記述は改めてほしい」とツイートしている。

 だが、世間一般に対してガイナックスをわかりやすく紹介するとすれば、どうしても『エヴァ』を使わないといけないくらい、現在のガイナックスには「なにもない」のだ。

『エヴァ』だけでなく、『ふしぎの海のナディア』や『天元突破グレンラガン』といった名作でも知られるガイナックスだが、2006年にガイナックスの主軸だった庵野がカラーを設立。11年には『グレンラガン』の大塚雅彦と今石洋之がトリガーを設立したことで、主力スタッフが大量に離脱。16年には、カラーが貸付金1億円の返済を求める訴訟を起こしたが、この時点でガイナックスが約1億円の債務超過状態であることも明らかになった。

 その後、ガイナックスは鳥取県米子市や福島県三春町などに「支部」と称した子会社5社を立て続けに設立。しかし、16年に5社とガイナックスの間に資本関係が存在しないことが明らかに。今回の報道で『王立宇宙軍 オネアミスの翼』のその後を描いた劇場作『蒼きウル』や『トップをねらえ3!』の行く末を心配する声が上がっているが、こちらは15年に木下グループの一員になっているガイナ(旧:福島ガイナックス)がガイナックスから制作を引き継いでいる。

 ガイナックスのアニメ制作は15年放送のTVアニメ『放課後のプレアデス』以降、途絶えている状態。なお、巻容疑者は今年10月にガイナックスの社長に就任したばかりで、それ以前は声優などを育成する別会社・ガイナックスインターナショナルの社長を務めていたという。わいせつ行為はガイナックスインターナショナル時代に行っていた。

 巻容疑者は当時、声優のワークショップを開催しており、募集サイトでは「アニメ、ゲーム、ドラマCDなど数多くのコンテンツをプロデュースしてきた巻智博プロデューサー」と紹介されていた。少なくとも、制作畑の人物ではなかったようだ。

 何かとごたごたしていた16年、ガイナックスは声明で「ガイナックス本来のあるべき姿に立ち戻り、企画プロデュースを中心とした企業として再生を行っております」と発表していた。近年、“抜け殻”とも揶揄されるガイナックスだが、社長の逮捕で「本格的に終わりか?」という声も少なくはない。

最終更新:2019/12/06 05:45
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