アンタッチャブル”電撃復活”、種はまかれていた?
#お笑い #アンタッチャブル #テレビ日記
有田哲平「できれば本物が見たいですね」
10年ぶりのアンタッチャブルの漫才は、何よりも面白かった。もちろん、サプライズ感や懐かしさによる補正がかかっているだろう。けれど、10年のブランクを感じさせなかったのは確かだ。ミュージシャンが長らく客前で歌っていなかった名曲を久しぶりに披露したら歌唱力の低下が露呈して、聴いてるほうはちょっとガッカリ、みたいなのとは違ったと思う。
個人的には、途中で「いいかげんにしろ」とツッコんで漫才を締めようとした柴田を、山崎が「まだまだ」と引き留めて漫才を続けたところにグッときた。自分が柴田に手を差し伸べる構図はよくない――そう言っていたとされる山崎が、柴田を引き留めたところに。今回披露したネタはファストフード店。山崎が芸人として踏みとどまる転機となったと語る、03年の『M-1』で披露したネタだ。
漫才が終わる。スタジオに響く万雷の拍手。感動のエンディング――となってもいいところなのだけれど、しかし、興奮冷めやらぬ柴田以外は引き続き台本上の設定に粛々と戻る。有田は「ドラマの合間に来るのもいいですけど、ちゃんとやってくださいよ、真面目にね」と、山崎をあくまでも小手として扱う。山崎も「それよりも『モトカレマニア』よろしくお願いいたします」と小手が出演するドラマの番宣を入れ込む。画面の右上には「気を取り直した小手伸也が改めて漫才を披露!!」とテロップが出ている。最後に有田が総括する。
「できれば本物が見たいですね」
いつものように台本通りに始まり、途中で大きなサプライズを演出したものの、しかし最後はまたいつものように台本へと戻っていく。10年ぶりの復活に必要以上の“意味”を生じさせず、いつも通りの番組のやり方に落とし込む、そんなサラッとした手つきがニクい。それは、過剰な煽りがなくとも2人の掛け合いだけで人を惹きつける芸を持ったコンビに対する、番組側の、そして有田の敬意でもあるのだろう。
さて、ここで1つ気になることがある。長く続いたアンタッチャブルの活動休止。それによって被害を被っていた男が1人いる。
「アンタッチャブルが休むから一番迷惑被ってるのオレですからね。アンタッチャブル休むから、山崎がひとりで暇になるから、全部俺にきて」(『さんまのお笑い向上委員会』16年6月4日)
そう語っていたのはカンニング竹山だ。28日の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも山崎が、「ロンハーの収録のときは後輩の子が車で迎えに来てくれて。後輩っていってもカンニングの竹山さんなんですけど」と言っていた。GPSで竹山の所在地を常時把握できるようにもしているらしい。
アンタッチャブルの活動再開。これにより竹山が受けている束縛も少し緩んだりは……たぶんしない。竹山のTwitterによると、『脱力タイムズ』終了後に「最高だな!」と山崎にLINEを送ると、「そんな事よりそんなとこで何やってるんですか?」とGPSで突き止められた、とのことです。
(文=飲用てれび)
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