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日刊サイゾー トップ > 社会  > 宇垣美里アナの柔軟剤CMは「下ネタ」なのか?
【wezzy】

宇垣美里アナの柔軟剤CMは「下ネタ」なのか? P&Gの見解を聞いた

 フリーアナウンサーとして活躍する宇垣美里さんが出演するP&Gの柔軟剤「レノアビーズ メンズセレクション」のCMに、「下ネタで不快」という声が一部ネット上で出ている。どんなCMなのか。

 まずこのCMの背景には、柔軟剤「レノアビーズ」を男性たちにも利用してもらいたいというP&Gの意図があると考えられる。柔軟剤で良い香りのする「ビーズ男子」についての特設ページはこちらだ。

 11月1日から公開している「レノアビーズ メンズセレクション」の新CM「ビーズでモテキ」。映像では宇垣さんが「会社の先輩」という設定で、カメラに向かって話しかける。カメラは宇垣さんの「後輩」である男性の視点だ。

 CM冒頭で宇垣さんは「しよう、ビーズ男子」と言う。CMは2パターンあり、 1つは会社のオフィスで宇垣さん演じる先輩社員が後輩から資料を受け取り、目を通しながら「ん? どれ? 悪くないと思うよ」と評してから、「……その香り」とささやく。

 2つめは、仕事帰りらしきワンシーンで、雨の中を宇垣さんが「入れて~」と走ってきて後輩男性のビニル傘に入る。宇垣さんは何かに気づいたように「あ……好きかも……その香り」と笑顔を見せる。

 このCMで宇垣さんに割り振られたセリフが性的な表現を彷彿させるとして、「家族でみるのが気まずい」「CMで下ネタを流すのは止めてほしい」など、批判的な意見が一部から出ている。

 レノアビーズを販売するP&Gジャパンは、どのような意図でCMを製作したのだろうか。広報部の担当者に取材をしたところ、指摘されているような性的な意図はないという。

<弊社の調査では、男性の印象に対して、「香り」についても重要視する女性が多く、その中でも特に、「柔軟剤の香り」への支持が高いことが分かっております。柔軟剤は男女関わらずお使いいただける製品ですので、本CMではその調査結果をベースに、より多くの男性のお客様にも柔軟剤をお試しいただきたいと考え、制作いたしました。そのため、性的な意図は、本CMにはございません>

 確かにこのCMには確信犯的な「性的表現」があるわけではなく、いささか過敏とも言える今回の反応。しかし過去の事例の積み重ねが、消費者の不信感につながっていることは無視できないだろう。

過去には卑猥だとして公開中止になったCMも
 出演者のセリフが性的な表現に聞こえるとして批判、そして同時に「いいね」という評価の両方を受けたCMは少なくない。たとえば、2015年に放送された広瀬すずさんが出演する明星食品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」のCM。これもカメラに向かって広瀬さんが会話をするというもので、広瀬さんはカップ焼きそばに付いているマヨネーズをかけた後、カメラに向かって「全部出たと?」と博多弁で疑問を投げかける。

 この「全部出たと?」というセリフが話の流れからは不自然であり、「わざと下ネタを入れた」という指摘が多くあった。その後、同CMは問題のセリフを「好きな人おると?」に差し替えている。前述のように、不適切ではないかと指摘する声だけでなく、このCMを「エッチで可愛くて良い」と表する声もあったことを記しておきたい。これは好評価があったから良いCMなのだという意味ではない。良くも悪くも幅広い消費者層に「下ネタ」だと解釈されたということだからだ。

 2017年に公開されたサントリーのビール「頂」のCMも、わざわざ卑猥なセリフを言わせているとして批判を浴び、公開を中止している。このCMも女性たちがビールを飲みながらカメラに向かって喋りかけるというもので、「肉汁いっぱい出ました」「お酒飲みながらしゃぶるのがうみゃあ」「コックゥ~ん! しちゃった」などといったセリフが登場した。

 なお、明星食品もサントリーも、そういった意図はなかったという。

 また壇蜜さんを起用した仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会によるPR動画も炎上した。2017年7月に仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会が観光キャンペーン「仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017」の一環として制作したPR動画広告で、秋田県出身のタレントである壇蜜さん(役名:お蜜)を起用し、夏の暑さにバテたゆるキャラ(むすび丸)を「涼しい宮城へお連れいたしましょう」と宮城名物を紹介する内容だった。

 壇蜜さんはずんだ餅を放り投げて「ぷっくり膨らんだ、ず・ん・だ」、牛タンをあ~んして「肉汁トロットロ、牛のし・た」、「え、おかわり? もう~、欲しがりなんですから」といったセリフがあった。動画の視聴者からは、PR動画として適切かとの指摘が相次いだ。

 前述したように、CMのセリフが性的な表現を彷彿させることに対して「面白い」「攻めている」と評価する声もある。しかし、男性をターゲットにした商品やキャンペーンは、美しい女性によるセクシーなアピールが有効だという戦略があるとしたら、その手法は男性消費者も女性消費者もバカにしていないだろうか。

 また、「レノア」CMに関して言えば、先輩女性社員が後輩男性社員の「匂い」に言及することがセクハラではないかという観点もあっていい。別の企業の男性向けスキンケア商品で、女性秘書が「モテる男は肌が違う」といった指南をするCMもあるが、これも同様だ。こういったCMを見て特におかしいと思わないという人たちも、性別が逆だったら強い違和感を覚えないだろうか? 女性から男性へのセクハラはOK、などという歪な線引きはあってはならないだろう。

最終更新:2019/11/22 07:15
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