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日刊サイゾー トップ > その他 > ウーマン・ウェジー  > 女性アスリートの容姿評価に違和感
【wezzy】

女子プロ野球選手も「美女アスリート」扱い…写真撮影会や総選挙など選手の「アイドル化」

 日本の女子プロ野球から36名もの選手が退団することが11月1日に発表された。全選手71名のうち36名もの大量離脱。なぜ、これほど多くの選手が退団することになったのか。

 報道によると、日本女子プロ野球のすべての球団を運営する「わかさ生活」が、選手との契約内容を一新。新たな条件に同意しなかった選手らが退団するはこびになったという。

 契約内容の詳細は不明ながら、この問題をめぐる一連の報道からわかるのは、プロ野球界でもまた、女性選手の美醜にばかり注目する仕組みが出来上がっていたことだ。多くの新聞はこれを“美しすぎる野球選手”として有名になった選手らの離脱と報じた。その見出しのつけ方に悪意はまるでないのだろうが、違和感を覚えることも確かだ。

 10日付のスポーツ報知では、かつて日本女子プロ野球でプレーしていたというAさんの証言を掲載しているが、Aさんは運営幹部のワンマン体制に苦言を呈しており、選手を“アイドル化”した売り出し方に難色を示す選手もいたと明かしている。

制服コスプレでの写真撮影会や「美女9総選挙」
 日本女子プロ野球は2009年に発足。ファンサービスとして試合後に選手がダンスを披露するなど、選手のルックスを“生かした”イベントをしてきた。今年9月の試合後には、学生服のコスプレをした選手がファンとの写真撮影に応じるイベントも開催された。

 また昨年から公式Twitterでは、「美女9総選挙」という企画も行われている。名前の通り、ファンが“美人”だと思う選手に投票、順位を決めるというものだ。

 スポーツ報知によると、こういったファンサービスで人気のある選手は、たとえ実力が伴っていなかったとしても、ファンを集めるために「試合に出せ」という指示が運営から出ていたという。

「選手として評価してほしい」という女性アスリートの願い
 なぜなのか女性アスリートは競技実績と共に、「美人すぎる」「可愛すぎる」などといった容姿の評価がついてまわる。

 今年8月に「AIG全英女子オープン」で海外メジャー制覇を果たした渋野日向子選手も「可愛すぎる」と注目が集まり、多くのメディアでは彼女を「とても可愛い女の子」と紹介して親しみやすさを強調していたように思う。競技中に食べていた駄菓子「タラタラしてんじゃねーよ」が品薄になったことも記憶に新しい。

 昨年の平昌五輪カーリング女子日本代表が活躍した際も同様であり、「美女チーム」「もぐもぐタイム(ハーフタイム)」「にっこにっこにー」など、競技内容以外の面が連日、取り上げられ続けた。

 そのような状況にカーリングの選手たちは疑問を抱いていたようだ。平昌五輪から帰国したLS北見(現在はロコ・ソラーレ)の選手たちは、北海道北見市でのパレードと市民報告会に臨んだ際、<パフォーマンス以外の部分でも、沢山の報道があることに、正直、戸惑いだったり驚きも感じています>(吉田知那美選手)と複雑な心境を明かした。“カーリング選手”としてのパフォーマンスを評価してほしいという切実な思いを訴えたのだ。

<パフォーマンスが……、カーリング選手としてのパフォーマンスを……皆さんに応援していただけるように、カーリング選手として評価していただけるように、頑張りたいと思いますので、どうぞ皆さんこれからも、カーリング選手としての私たち、そして日本のカーリング界全体を、応援どうぞよろしくお願いいたします>

 アスリートたちは競技で優秀な成績を収めるために、日々トレーニングを重ねている。そんな彼女たちの努力を無視し、 “アイドル”として容姿を評価することが、「褒めているつもりで侮辱していること」に気づかなければいけない。

最終更新:2019/11/13 05:30
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