タモリと風間俊介が明かす、小沢健二への愛
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タモリ「現実っていうのがホントは奇跡なんだということがテーマになってまして」
先週の『ミュージックステーション』では、小沢の曲への愛を語った人がもう1人いた。ほかでもないタモリである。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)などで共演するたびに、小沢の歌詞の魅力を語ってきたタモリ。今回も新曲の歌詞について、次のように解説した。
「これはやっぱりテーマになってるのは、現実っていうのがホントは奇跡なんだということがテーマになってまして」
現実に戻る、現実を超える、そんなふうに「現実」はどこか否定的に捉えられがちだ。今ここの「現実」とは別のところに、「理想」の世界があるというように。だがしかし、小沢はこの「現実」こそをひとつの奇跡と捉え、肯定しているのだ。そうタモリは言う。
「現実こそが奇跡であるという。小沢くんがずっと持ってる全肯定の思想がやっぱ、ここにあるんじゃないかと」
さて、タモリも絶賛する小沢の新曲のタイトルは「彗星」だったわけだけれど、彗星といえば宇宙、宇宙といえば地学、地学といえば『ブラタモリ』(NHK総合)である(ちょっと無理やりなつなぎだったかもしれない)。
毎週日本のどこかをめぐり、その土地の歴史や地理、そして地質について探求してきた同番組。一般の人々に地質学の知見を広めた功績をたたえ、学術団体(日本地質学会)から表彰されたりもしている。河岸段丘とか断層破砕帯とか、この番組を通して地学用語をいつの間にか覚えた人もいるだろう。
そんな『ブラタモリ』の9日の放送は秋田の回だった。「掘れば出てくる“秋田の魅力”とは!?」というテーマでフォーカスされていたのは、秋田で採掘される十和田石と呼ばれる石、そして石油だ。
実は、秋田の豊川という地区には油田がある。しかし、なぜここで石油が採れるのか? 要は、偶然が重なったということらしい。秋田がまだ海底に沈んでいた1000万年ぐらい前に、石油のもとになるプランクトンなどの死骸が堆積し、100万年ほど前の地殻変動で油がたまりやすい地形に隆起した。そこが、秋田のその土地だったのだとか。
そんな地下深くの変動は、地表の人々の暮らしにも影響を与える。かつては日本のテキサスと呼ばれるほど石油の採掘が盛んだった同地域。当時は、油田ポンプが立てる「ギーコ」という音を子守唄代わりに、子どもたちは眠りに就いていた。そんな話が、その土地の高齢者から語られる。
こんなふうに、タモリは毎週各地を回り、その土地の地質に目を凝らしてきた。私たちの足元が人知の及ばない偶然によって形作られてきたことを、そしてその偶然の上に人々が暮らしを編成してきたことを、浮かび上がらせる旅だったといえるだろう。いわば、「現実こそが奇跡である」と示す軌跡だったのだ。
小沢は新曲のサビで歌い上げる。
「今ここにあるこの暮らしこそが 宇宙だよと今の僕は思うよ なんて奇跡なんだと」
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