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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > タモリと風間俊介の、小沢健二愛
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

タモリと風間俊介が明かす、小沢健二への愛

田辺エージェンシー公式サイトより

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(11月3~9日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

風間俊介「ファンというよりかは、僕が勝手に崇拝しているっていうのが正しいかと思います」

 芸能人に東京ディズニーリゾートのファンは多い。――と書き始めてはみたものの、具体的に誰がいるんだと聞かれると、あまり思い出せない。多すぎるからだろうか。木下優樹菜とFUJIWARA・藤本の名前をいま挙げるのは、ちょっとややこしい気もするし。

 ただ、東京ディズニーリゾートのファンを公言するあまたの芸能人の中でも、この人は別格のように思う。風間俊介だ。俳優組としてジャニーズの中でも特別な存在感を発揮している風間は、年間パスポートを小学5年生から更新し続ける同リゾートのフリークとしても知られている。

 そんな彼が、かつて『マツコの知らない世界』(TBS系)で東京ディズニーランドの魅力を語る際、こんなことを口にしていた。

「むしろ勝手に嫌いになってるのは、そっちの落ち度だぞとも思う」

 風間いわく、長蛇の列に並んだことをきっかけに、東京ディズニーランドを嫌いになる人が多い。しかし、あそこは世界一美しく整備された公園だ。アトラクションに並ぶのではなく、そこにある風景を楽しんでみるのはどうだろう。街並みにも、レストランにも、ゴミ箱にも、物語を読み取ることができるのだから。そんな話の流れで出てきたのが、上の「落ち度」発言である。

 そんな風間が、8日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演していた。他のジャニーズの面々とステージ上で歌ったり踊ったりしていたのではない。新曲「彗星」をこのたび披露する小沢健二の曲の魅力を、リハーサル室のようなところでホワイトボードを前に解説していたのだ。虫の魅力を語る香川照之のように。

 小学生のころに「ラブリー」を聴いて以来、約25年にわたる、小沢の大ファンだという風間。そんな彼はしかし、冒頭でこう語った。

「ファンというよりかは、僕が勝手に崇拝しているっていうのが正しいかと思います」

 ファンというよりも信徒として、さらにいえば伝道師として、風間は小沢の曲を解説していく。たとえば「今夜はブギー・バック」については、「ここにおしゃれさ、生き方のおしゃれさがある」。「愛し愛されて生きるのさ」については、「雨上がりの日常の景色、そんな景色をこんなに美しく語れる人はなかなかいない」。「さよならなんて云えないよ」については、「この瞬間を大切にすることの尊さを教えてくれる曲だと思います」という具合に。

 そして付け加える。

「僕はいま、曲の歌詞の説明をしているような気分ではなくて、一冊の小説を語っている、そんな感覚で語っています。これを文学と呼ばずしてなんと呼ぶ? と思ってるんですけど」

 風間は冷静な語り口で、しかし熱を込めて小沢への愛を語った。エンタテインメントを一方的に与えられる側にとどまるのではなく、読み解き、言葉にし、楽しさをくみ尽くそうとする。東京ディズニーランドを語るときと同じく、今回もまた風間のそんなエンタメへの愛の注ぎ方を見た。

 さて、解説が終わり、小沢が新曲「彗星」を歌い始める。その曲の最後、クライマックスの歌詞は、なんだか風間の姿に重なって聞こえた。

「あふれる愛がやって来る その謎について考えてる」

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