ドクターX「神原名医紹介所」も真っ青!? 無免許でも登録できる医師派遣サイトの闇
女優・米倉涼子が主演する人気ドラマシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)が好調を維持している。
10月31日に放送された第3話は平均視聴率18.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマーク。「テレビ離れ」が叫ばれるなか、初回は20%超えも達成しており、すでに6回を重ねるシリーズの変わらぬ人気ぶりが際立っている。
米倉演じる天才外科医・大門未知子はドラマの中で、特定の組織に属さない「フリーランス」として病院を渡り歩き、行く先々で難手術をこなしていく。その大門は「神原名医紹介所」なる医師の派遣会社から派遣される「派遣社員」というのが、ドラマの基本設定となっている。
さすがに大門のようなスーパー医師を抱える派遣会社が現実社会に存在するとは考えにくいが、リアルな医師の世界では世間の想像以上に雇用の流動化が進んでいる。
「人口減と高齢化の波は医療業界にも及んでおり、現場は慢性的な人手不足に陥っている。完全な売り手市場で、給与や労働環境などで、より好条件な働き口を求めて転職を繰り返す医師が多いのが実情。その風潮をエスカレートさせているのが医師転職仲介業者の存在だ」(社会部記者)
かつては大学病院が中心となって構築された医局制度が事実上の「医師派遣」の業を担っていたが、研修医制度の改正などによって医局は弱体化。代わって台頭したのが、医局に属さない医師の受け皿となった民間の医師転職仲介業者で、ネット上では、彼らが運営する「医師専門の転職サイト」が複数確認できる。
そんなサイトのひとつで、刑事事件に発展してもおかしくない、あるトラブルが発生し、業界内外を騒がせているという。
事情を知る業界関係者が、こう声を潜める。
「トラブルの舞台となったのは、大手転職サイトのひとつである『M』。このサイトでは求職者である医師と病院を結びつけるだけでなく、特定の医師から医療サービスを受けることを希望する個人と医師をマッチングするサービスも行っているのだが、このサービスを利用したある企業経営者が詐欺被害に遭ったというのです」
この関係者によると、被害に遭ったのは大手通信会社の取締役で、人気プロスポーツチームの代表も務める、財界では名の知れた男性だという。男性は問題のサイトを通じて女性医師と知り合ったのだが、この女が食わせ物だったのだという。
「この女性医師はサイトの中で、『大手企業の令嬢』を自称し、家柄の良さをウリに受診希望者を募っていました。しかし、登録していた肩書は偽りで、医師免許さえ所持していなかった。ところが、男性は女のウソにまんまとだまされ、顧問契約を結んだばかりか、怪しげな注射を打たれたりもしたとか」(同)
なぜ、こんなことが起きてしまったのか?
「医師の転職サイトのほとんどは、事前に医師免許の登録が必要になります。ところが、女が利用した転職サイトでは、その登録が必要なかった。女はその『穴』を巧みに利用し、身分を偽っていた。問題なのは、このサイトが業界でも大手の部類に入るということ。女はサイトの社会的信用を悪用していたのですが、業界内では『これは氷山の一角では』との声が絶えません。これまで表沙汰になっていないだけで、同じようなトラブルがあってもおかしくはない、ともっぱらです」(同)
われわれのあずかり知らないところで、「偽医者」が跋扈しているということか……。
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