『バチェラー3』を根底から揺さぶった戦犯の心模様とは? 「史上最強に悪魔だらけ」の前評判は本当だった!
#バチェラー #プライムビデオ
放送事故のような様相だった『バチェラー3』(Amazon Prime Video)。歴史に残る救いのない結末へ突き進んだ経緯と登場人物の心模様を、本稿ではじっくり掘り下げたいと思う。
気遣ってくれた友永にマウンティングする岩間(エピソード10)
舞台をフランスに移した最終決戦。大本命と目されるぶどう農家・岩間恵(25)と“元・北新地ホステス”水田あゆみ(30)による一騎打ちである。
まず、友永 真也は岩間をフレンチレストランへ連れて行った。初めての2人きりの食事だ。お互い、この場を待望していた。特に岩間は食べることが好きで「結婚するなら食の価値観が大事」と考えるタイプである。
テーブルへ運ばれたラムチョップを前に食べ方がわからない岩間は、いきなり手づかみでかぶりついた。思春期をフランスで過ごした友永は食べ方を知っているだろうが、お肉をおいしそうに食べる岩間をそのまま優しく見守った。ベニエについては「ジャスミンの天ぷら」とわかりやすく翻訳し、フレンチ初心者の岩間に伝えてあげている。この対応は友永の包容力だったと思う。
なのに、岩間は「ジャスミンの天ぷら」の味がどうだったかを友永に質問し、「よくわからへんかってん」という返答に失笑する。
友永「ちょっと芽食べたときに苦味がして」
岩間「酸味ね、酸味」
友永「俺、酸味と苦味一緒やねん。ごめん」
岩間「やばくない、それ?(笑) 」
こっそり岩間を気遣っていた友永なのに、いきなり逆アップでマウンティングされてしまった。岩間も海原雄山みたいに、そんな小バカにした態度を取らなくても……。食の価値観は確かに大事だが、食事中の雰囲気をこんなふうに壊されるのもつらい。食が大事なら、食卓の雰囲気も大事にするべきだと思うのだが。
友永も友永で岩間に合わせようと必死。野菜嫌いを懸命に隠そうとするも、すぐバレてしまった。個別インタビューで友永は本音を口にする。
「食の好みなんて、もうど~でもいいんですよ! そんなんじゃなくて、食事終わって帰ってきた後、どんだけ居心地がいい空間があるかってことが、僕は大事やと思ってます」
岩間のことが好きすぎて、友永は細かいことが面倒臭くなってしまった。
2人の関係性は、もはや岩間が“選ぶ側”に立ってしまっており、バチェラーのシステムそのものが崩壊している。我々は何を見せられているのか……。
食事を終え、2人は友永の部屋で語り合った。
友永「1回目のデートでヘリコプター乗って車でドライブして。そのときに俺は恵に“好きになってほしい”って言った。それって今どうなってる?」
岩間「“好きになってほしい”と言われたことはすごくうれしかった。真也さんと一緒にいる時間はすごく楽しいし、“好きになってほしい”って言われて、好きになりたいってメチャクチャ思ってて。人としても好きだし、一緒にいる時間も好きなんだけど……これって恋愛感情なのかな? って思うと、ちょっと違和感がある」
最終決戦目前のタイミングで、超重要な事実を告げる岩間。要するに、友永はフラれたのだ。目に涙をためた友永は「今までめっちゃ好きでした」と岩間に告白した。すると、岩間は友永に体を預けてもたれかかる。今、「恋愛感情はない」って言ったばかりなのに! しかも彼女、ローズセレモニー前に「それでもなおバラをくれたとしたら、それは受け取る」と発言しているのだ。なかなかすごいことを言っている。
続いては、友永と水田のフランスデート。でも、すでに友永は岩間に告白しているし、始まってもいないのに別れ話で感傷に浸っていた。それを知っていると、この水田とのデートが茶番に思えてくる。岩間に向けていた熱視線に比べると、水田への視線の温度はメチャクチャ低い。水田がしゃべり、心ここにあらずの友永が「うん」と答えるという流れで会話は続いた。
水田に用意された食事は、パンを中心にした簡素なものだった。岩間との豪勢なフレンチとの落差……。でも、水田は勝負をかけた。十分な間を置き、友永の目を見て「……好き」と告白したのだ。それを受け取った友永は「ほんまにありがとう」と水田に返答する。とうとう、友永は水田に「好き」の言葉を返さなかった。
しかし、最終決戦で友永がローズを渡したのは岩間でなく水田だった。友永の気持ちが手に取るようにわかる。岩間に失恋した友永の心を癒やしてくれたのは、水田の「好き」という言葉。つまり、岩間がダメとわかったから、水田にバラを渡したということ。これは妥協であり、消去法だ。一度フラれた女性にバラを渡すなんて、確かに勇気がいる。それはわかる。それでいて、岩間への未練を拭い去れなかった友永。ならば、かつてDJ・中川友里(30)へ言い放った「バラ、渡されへん」の選択もありだったと思うのだが。
水田を選んだ後、速攻で岩間のほうへ近づいていく友永。彼は「ずっと、ほんまに好きでした」と岩間に言葉をかけた。すぐそこに水田がいるのに……。自分で落としておいて、恋人との別離みたいな雰囲気を醸し出しているのも解せない。しかも、車に乗り込む岩間に向けて、延々と「めぐみー! めぐみー!」と叫び続けた。だから、すぐそこに水田がいるって言ってるのに! 未練タラタラなのだ。
水田のところに戻ってきた友永は、水田とディープキスをした。さっきまで別の女性の名前を連呼していた男とのキスは、水田にとってどんな味だっただろう? っていうかこのローズは妥協の選択なのだから、軽いキスにしておけばよかったのに……。
そして、友永は水田に指輪をはめた。
「これが次の終着点までの切符代わり」(友永)
本当だろうな?
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事