北大教授「中国で拘束」で思い出される、中国国営放送美人キャスターの不審死
#中国 #中国未解決
北海道大学の40代の日本人男性教授が9月に北京を訪問した際、中国当局に拘束されたことがわかった。具体的な容疑については公表されていないが、男性は過去に外務省や防衛省防衛研究所に勤務歴があり、そうした経歴からスパイ疑惑を持たれた可能性が高い。
中国当局は2015年以降、スパイ行為に関与したとして、少なくとも邦人14人を拘束し、うち8人に実刑を言い渡している。
一方で、中国人でありながら国外に機密情報を流出させていたとの疑惑の目が向けられている女性がいる。彼女はすでに不審な死を遂げているが、11月18日の4周忌を前に、再び話題となっているのだ。
方静氏(享年44)は北京広播学院を卒業後、23歳で中国中央テレビ(CCTV)に入局。アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせた。堪能な英語力などが評価され、人気ドキュメンタリー番組『焦点訪談』の司会に抜擢され、その後も『中国新聞』『東方時空』『国際観察』などの看板番組のキャスターや司会者を歴任し、確実にキャリアを積み重ねていった。
豊富な知識や清廉潔白で実直な報道姿勢は中国国内でも高く評価され、テレビ司会者だけでなく慈善活動などにも積極的に参加するようになり、自身で奨学金機構を立ち上げ、多くの子ともたちの学習支援を行うなど、公私ともに彼女の人気は高まっていった。
そんな中、突如”スパイ疑惑”が持ち上がる。元同僚で、当時北京大学でメディア学部の準教授だった周阿憶氏が2009年6月9日、自身のブログに「方静はスパイだったことがわかった。彼女は軍事関連の情報を入手するため、CCTVで『防務新観察』(中国の軍事や科学をテーマに取り上げる番組)などの番組で司会者をしていたようだ。方静は5月12日にスパイ容疑で当局から取り調べを受けていた」と暴露したのだ。
これに対して方静氏も急遽ブログを開設し、「ある人がブログ上で悪意ある誹謗中傷の記事を掲載しましたが、まったくの事実無根であり、法的手段をとる準備をしています」と反論した。しかし、この頃から方静はテレビ出演がなくなっていたこともあり、疑惑が深まる中、同12日には中国共産党系メディア・人民日報が「CCTVアナウンサーの方静は、台湾へ中国の機密情報を渡していたスパイ行為の容疑のため、中国国家安全部で調査を受けている」という記事を掲載したことで、大騒ぎとなる。
しかし、2日後の14日、方静は同局の人気番組『世界週刊』の司会者として突如カムバックを果たす。中国メディアのインタビューに応じた方静氏は、「体調が悪く、一時的に仕事ができなくなっただけで、スパイ行為で取り調べを受けたというのはデマである」と、スパイ疑惑を完全否定している。その後は、スパイ疑惑などなかったかのように同局の看板番組などを歴任し、11年からは同局の管理職として裏方での活躍が増えていったという。
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