巨人・原監督の提言で議論沸騰も…セ・リーグのDH導入を拒む唯一の球団とは?
#プロ野球 #原辰徳 #読売ジャイアンツ
6年ぶりに日本シリーズ進出を果たすも、ソフトバンクに4連敗した巨人の原辰徳監督が、「セ・リーグもDH(指名打者)を導入すべき」と提言。ネットには好意的な意見も上がっているが、これを頑なに拒むチームが存在する。
日本シリーズでは投打ともにソフトバンクに圧倒的な差を見せつけられ、なすすべなく屈辱の4連敗で終戦となった原監督が唱えたのがDH制導入だ。現在、セ・パ両リーグではルールに違いがあり、セ・リーグでは投手が打席に立つが、パ・リーグはDH制を採用しており、投手は打席に立たない。ベテランスポーツライターが言う。
「DHは1973年にアメリカで誕生しました。当時、大リーグは人気が低迷しており、点が入れば試合が盛り上がり、観客数も増えるだろうということで、人気低迷が顕著だったアメリカン・リーグで採用されたのです。そして1975年には、同じく人気が低迷していたパ・リーグがこれを採用し、今に至っています。DHがあることで、門田博光、ブライアント、デストラーデ、山崎武司といったスターが生まれましたが、“守らないで打つだけの選手なんて”といった声は常にあり、是非が議論になってきました」(スポーツライター)
プロ野球界では現在、パ・リーグが7年連続で日本一に輝いており、原監督は「相当な差をつけられている」とコメント。交流戦や日本シリーズでは、セ・リーグの本拠地で試合を行う際、DHは不採用なので、ルール上の不利はないはずだが、現場の認識としては、DHの有無が勝敗に影響していると感じられるようだ。週刊誌のスポーツ担当記者は言う。
「しばしば“投手は9番目の打者”と言われますが、2018年の投手の打率は1割ちょっとです。全く打つ気がないまま打席に立つ投手も多く、あれは愉快なものではありません。例えばサッカーでは、ボールがラインをはるかに割った時、別のボールを使うことでタイムロスを防ぎ、プレーしていない時間を少しでも減らそうと努めています。その差は大きいですよね。投手が打席で指や腕に死球を受ければ、投手生命が終わるかも知れませんから、無理に打とうとしないのは仕方ありませんが、それならDHにすればよいということになる」(スポーツ担当記者)
現状ではあからさまなトイレタイムと化している投手の打順。実はこれまでもDH導入が議論されたことはあるが、その時はあるチームのオーナーが強硬に反対したという。スポーツ紙の記者がいう。
「2017年、早稲田実業の清宮幸太郎の進路が注目されていた時、守備の苦手な清宮に対し、セ・リーグの複数の球団関係者が、『近々、セでもDHが採用される』と囁いたのです。この件はオーナー会議でも話題になりましたが、そこで唯一反対したのが広島の松田オーナーでした。もしDHが採用されれば、資金力があるチームがますます有利になりますから、資金力の乏しい広島としては認めるわけにはいかなかったのでしょう」(スポーツ紙記者)
原監督はDH制導入について、「レギュラーが1つ増えるから子どもも喜ぶはず」という主旨のことを述べたが、それは他チームの主力選手を獲得できる巨人にこそあてはまる話。「ボクは守備練習はやりません」という野球少年が出てくる日も遠くはなさそうだ。
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