”大食いYouTuber”木下ゆうかに見る、女性YouTuberのキャリア問題
#YouTuber #YouTube #超YouTube学
テレビ業界で最もYouTubeに詳しい新進気鋭の20代放送作家、白武ときお(「しもふりチューブ」)と長崎周成(「フワちゃんTV」)が、最新のYouTube事情と注目チャンネルについて語り尽くします!
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白武 テレビでもそうですけど、YouTubeでも恋愛と食は強いですね。カップルチャンネルだったり、料理チャンネルだったり……。食にもいろいろありますけど、大食いではやっぱり木下ゆうかさん。最初、YouTubeで大食いやって目立っていたのは木下さんしかいなかったし、めちゃくちゃ細くてかわいい女の子が何万カロリーもあるものをペロッと平らげる爽快感、というYouTubeでの大食いの見せ方を作ったと思います。
長崎 よく食べる女の子って、かわいく見えるじゃないですか? さらに木下さんは、博多弁なんですよ。男性目線でいうと、“よく食べる方言女子“は刺さる人が多いんじゃないですかね。あと、HIKAKINさんと並んで女性YouTuberの席に初めて座ったっていうのは一番デカいかもしれないですね。大食いっていう入り口にしろ、なんにしろ、女性のYouTuberもいるんだよ、っていうのを世間に認知させた。
白武 HIKAKINさんにも通じますけど、YouTube黎明期に動画を上げまくった人たちはやっぱりすごい。だって、これが職業になるとは誰も思ってなかったですから。僕も高校生くらいの時から普通にYouTubeをサイトとして使ってたけど、それが仕事になるとは思ってなかったし。ギャンブルですよね。僕らもYouTuberの先駆者になり得たけど、啓示を受けなかった。
長崎 ギャル曽根さんじゃないけど、キレイに食べるっていうのは木下さんの動画を見ていて気持ちいいところですね。『TVチャンピオン』(テレビ東京系)の女王・赤阪(尊子)さんみたいに豪快さを見せるんじゃなくて、キレイにおいしく食べるっていう。一種の様式美ですよね。
白武 サムネのビジュアルショック、こんな子がこんな大量の焼きそばを食べるのか!? っていう作り方はうまいなと思います。「10000kcal」の文字と見たことないくらいでかいステーキのインパクトは、ついクリックしてしまいます。いろいろチャレンジしてますけど、韓国料理だったり、海外の料理はやっぱり人気ありますね。
長崎 YouTube全体で数カ月に1度、食ブームが来るんですよ。少し前だと、「バター1本入れてみた」系の料理動画とか、「チーズを絡めてみた」とか。
白武 ペヤングの時もあったね。新商品が出たり、テレビで紹介されたり、有名なYouTuberさんがやってたらマネして、そこからブームが一周するみたいな。YouTubeには、ネタを共有する文化があるので。
長崎 なぜ右に倣えで同じネタをやるかというと、関連に動画が上がるからなんですよね。ここに自分の動画が上がることが、新規流入のキモ。外から見ると、みんななんで同じ企画をやってるんだ? ってなると思うんですけど、バター1本の動画を見た人は関連動画に上がった似たような動画もクリックするから、回遊していくんですよ。“この人は、バターっていうお題でどういう動画を出してくるんだ?”とか。
白武 だから、YouTuberはネタパクってもいい、お互いさまですよねっていう、暗黙の了解がある。オリジネーター、フォーマットを生み出した人はすごいですけど、その人が絶対に評価されるわけではない。最初の人より、バズらせた人の勝ちですね。
長崎 もっと言うと、大食い系とかのブームになるネタって、海外の急上昇チャンネルから流れてきたりするケースもあります。UUUMとかは世界のYouTubeチャンネルの急上昇を毎日チェックしてるって聞きますけど、そういう各国の急上昇チャンネルから拾ってきたネタを、所属しているYouTuberにネタとしてオススメしてみたり。
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