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世界中で深刻な格差社会にAmazonやAppleらが改革宣言! 日本が夢見た“アメリカ型経営”に変化の兆し

米国の企業経営が変化していく“礎”に?

 ではBRTのいう、「すべてのステークホルダーへ投資・関与することが必要」とはそもそもどんな人々のことか。今回の声明文では、企業の経営活動に関わる顧客、従業員、株主、取引先、地域社会、行政機関などすべての利害関係者を指している。

 従って、多くの企業経営者が“念仏のように唱える”ステークホルダー重視の経営とは、米国企業の株主第一主義や近年の日本企業の株主重視のように、株主だけが重視されることではないのだが、これまではステークホルダー=株主という経営が行われてきたわけだ。

 しかし、米国では2000年頃から労働分配率が大きく低下しており、所得格差が拡大していることが、大きな国内問題となっている。こうした現状を鑑み、企業経営者自らが「公平な報酬を行い重要な福利厚生を提供する。変化の速い環境に対応するため、訓練・教育を通じて従業員による新たなスキル習得をサポートする」との声明文を出したことは、非常に大きな意味を持つ。

 もちろん、今回の声明文は株主を軽視するものではなく、株主に対して経済的なリターンをもたらすという目的を放棄したわけではない。それでも、経営者自らが従業員に対する“公平な報酬”という労働分配率を向上させる意思を示したことは、今後、米国の企業経営が変化していく“礎”となるかもしれない。

 このBRTが起こした“小さな波紋”が、やがて“大きなうねり”となって日本の企業経営にも波及し、日本での所得格差を是正する動きにつながることを切に願いたいと思う。

最終更新:2019/10/25 12:00
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