何がなんだかよくわからないまま金を払い続ける「増税パンチドランカー」
#消費税 #小市民
政府公認の“ゆるキャラ”はどこにいる?
数兆円という巨額が動くなかに埋もれてしまいそうだが、キャッシュレス決済ポイント還元やプレミアム付き商品券の広報・宣伝費に約74億円が計上されていることも、なかなかどうしてという感じである。なんと、この予算で政府公認の“ゆるキュラ”も作られているそうだ。いったいどこにいるんだ。このゆるキャラについて会見で記者に問われた麻生財務大臣は「知らねぇな。その内容は詳しく知らない」と答えており、そりゃ担当大臣が詳しく知らないのなら誰も知らんわ。
一部で話題になった経産省公式「ポイント還元対象店舗検索アプリ」の地獄のような使い勝手の悪さと不具合の多さ、その有様もまさに悲惨の一言だ。ポイント還元制度が終わるのは来年6月。このまま機能が改善されることもなく、自然消滅的にひっそりと消えていきそうだが、たいして炎上していないのは、ほとんどの人がアプリを使っていないからだろう。このアプリ開発には74億円のうち、いくら使われたのか。このアプリだって一応は国を挙げてのプロジェクトのはずなのだが。日本の技術後進っぷりがもの悲しい。
消費税増税を歓迎しているのは……
まあ、そんなこんなで一般市民としては消費税が増税されて良かったことなんて何ひとつないように感じてしまうのだが、この増税について「非常に良いことだと歓迎する」と堂々と言ってのけたのが、ポイント還元が難しくてよくわからない経団連の中西会長である。これは当然、財政健全化を念頭に言っているわけだが、よく指摘されているように法人税は消費税が導入されてからどんどん減税。消費税の増税と反比例するように法人税が減っていて、言ってしまえば肩代わりしているようなものである。そりゃ財界は歓迎するだろうよという話だ。しかし、消費税増税が景気にマイナスなことはわかりきっているのに、この言い草。結局、日本の経済がどうなろうとも輸出で儲けている大企業中心の財界にはどうでもいいということなんだろう。そもそも、日本の賃金が全然上がらないのだって、企業経営者が労働者の給料を上げず、株主に還元もせずにただ内部留保を積み上げていることも大きな要因になっているはずだ。もはや、この人らは“庶民の敵”といっていいのではないか。
庶民はニンジンの皮を食べて増税を乗り切ろう
そして、経団連と仲良しの日経新聞は消費税増税に対して「ニンジンの皮を食べて乗り切れ」という記事を掲載。金がないのであれば普段は捨てているところを食べればいいじゃない!って、パンがなければ菓子を食べろといったマリー・アントワネットのほうがマシではないか。ちなみに日経新聞は甚大な被害をもたらした台風19号を受けて「『もう堤防には頼れない』国頼みの防災から転換を」という記事も掲載している。災害が起きても国や行政に頼らず、自分で自分の身を守ろうというのだが、いったい何のために私たちは税金を払っているのだろう。ちなみに、この台風19号が日本列島を荒らし回っている最中、安倍政権は社会保障費の1300億円圧縮の検討を開始したそうだ。
サンドバッグか。日々つましい暮らしをしている庶民はもう殴られっぱなしでK.O.寸前だ。既存のルールをぶち壊して価値観をひっくり返してしまうジョーカーのような存在も現実には出現しない。なすすべもなく、お上がいつの間にか決定したことにただ従い、それが当たり前になって何も感じないパンチドランカー状態。そして、よくわからないまま増税した消費税を払い続けるのだ。
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