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日刊サイゾー トップ > 社会 > 政治・経済  > 小池都知事、いつの間に老害政治家に

小池百合子都知事、かつて目の敵にした「オッサン政治」にすがり自らが”老害政治家”に

小池百合子

「楽しい同窓会です」

 10月10日晩、赤坂の日本料理屋「津やま」から出てきた小池百合子東京都知事は、記者の質問に一言、満足そうに語った。

「この会は2017年4月、小泉純一郎内閣の自民党幹事長経験者を集め、『オンナ気がほしい』と小池知事を呼んだのが始まり。他のメンバーは小泉氏、二階俊博幹事長、山崎拓、武部勤両元幹事長で、『津やま』は小泉氏の行きつけの店です。現職の幹事長、都知事がいるとあって、毎回メディアが殺到。ただし、これは音頭をとった山崎氏が目立ちたいという狙いがあって、会合後、記者へのブリーフィングを嬉々として引き受けています」(政治部記者)

 このメンバーでの会は都合4度を数えるが、 お約束の話題は「2期目も小池さんしかいない」だ。

「当初は色めきだったメディアも慣れっこになり、今回はさほど記事にならなかった。67歳で周囲が年下ばかりとなった小池氏とすれば、たまには老人たちにチヤホヤされたいということでしょう」(同前)

 ”防衛省の天皇”守屋武昌・元防衛次官、”都議会のドン”内田茂・元都議、森喜朗・東京五輪組織委会長、石原慎太郎・元都知事……。小池氏が支持を得てきたのは、こうした「老害」ともいえる権力者に、女一人で立ち向かったからだった。2017年夏の都議選では都議会自民党を「オッサン政治」と斬って捨て、都民ファーストの会を圧勝に導いている。

 ところが来年夏の都知事選を前に、その刃はすっかり錆び付いているようだ。

「自民党東京都連は新たな候補を立てる意向ですが、二階氏が幹事長でいる限り、候補者を出さない可能性が高い。再選後の議会運営を考えれば、自民との対立は避けたいところ。小池氏は二階氏と”蜜月”を続けることが得策なのです」(同前)

 もちろん二階氏の一本線とはいかない。小池氏が接近し始めたのは、足元の都内の区市町村長だ。小池氏は9月19日から彼らとの意見交換をスタートさせ、10月21日まで断続的に行う。

 毎年、意見交換会自体は開かれてきたが、特別区長、市町村長がそれぞれ一斉に集まる形式だった。ところが今回は個別、もしくは数人相手で、しかもインターネット中継までしている。

「腰を据えて対面し、人間関係を構築する狙いです。小池氏は否定しますが、紛れもなく知事選に向けたもの。実際、田中良杉並区長は『政治的パフォーマンスに利用されるつもりはない』と出席を拒否しています」(同前)

 とりわけ区長には、花川與惣太・北区長(84・5期目)を筆頭に多選・高齢が多く、「オッサン政治」そのものといえる。

 内田茂氏に近く、反小池の急先鋒で、今年5月から特別区長会会長となった山崎孝明・江東区長(76)とは、10月7日に面談。江東区は豊洲市場や五輪競技会場を多くかかえるとあって、小池氏としっかりタッグを組むことが約束された。その他、石川雅己千代田区長(78)、高野之夫豊島区長(81)との関係も良好だ。

 小池氏が「根回しが出来ない」「ジャンヌ・ダルク」と新風を吹かせて都知事となったのも今は昔。小池氏が頼りにするのは、かつて目の敵にしていた「オッサン政治家」ばかり。自らが”老害政治家”になったことに気付いていないのは本人だけかもしれない。

最終更新:2019/10/12 21:21
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