心優しきテロリストが最期に発した言葉とは? 実録サスペンス映画『エンテベ空港の7日間』
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悪名高きアミン大統領も事件に関与
ハイジャックされたエールフランス機は、悪名高い独裁者イディ・アミン大統領(ノンソー・アノジー)の待つウガンダのエンテベ国際空港へと向かう。かつてはイスラエルと親密な関係だったアミン大統領だが、今では反イスラエルの立場。このハイジャック事件を政治材料にして、自分の存在を国際的にアピールしようと考えていた。空港に到着した人質たちは、まずフランス人は解放され、残る人質は古びた旧管制塔へと押し込まれ、さらにイスラエル国籍の人々は別の部屋に隔離されることになる。この状況に、ボーゼは大いに苦しむ。ボーゼたちの要求が通らなければ、人質となったユダヤ人たちは処刑しなくてはならない。ナチスドイツのヒトラーが行ったユダヤ人大虐殺と同じことを、ドイツ人である自分はやろうとしているのではないかと。
一方、イスラエル側ではイツハク・ラビン首相(リオル・アシュケナージ)の指示により、イスラエル特殊部隊による人質奪回作戦が練られていく。この作戦はアミン大統領の乗用車と同じタイプの車を用意してエンテベ空港へと近づき、空港を警備するウガンダ兵たちを武力排除するという非常に危険度の高い奇襲攻撃だった。作戦名はショーン・コネリー主演映画『007 サンダーボール作戦』(65)にちなんで“サンダーボルト作戦”名付けられた。人質たちは無事に解放されるのか、運命の日が刻々と迫る。
麻薬戦争の実態を描いたNetflixオリジナルドラマ『ナルコス』の製作総指揮も務めたジョゼ監督は母国ブラジルを離れ、現在はLAで暮らしている。ドキュメンタリー映画『バス174』(02)でデビュー後、続くブレイク作『エリート・スクワッド』(07)と『エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』(10)でブラジル警察の腐敗ぶりを告発したため、銃を持った元警察官から命を狙われるなどの危険に遭遇し、ブラジルから離れざるを得なくなった。そんな気骨あるジョゼ監督が国際電話でコメントを寄せてくれたので紹介したい。
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