“元・地下芸人”脳みそ夫が振り返る「マウントばかり取っていた」あの頃
#お笑い #インタビュー #脳みそ夫
目下、みそ ソムリエ二浪中!
――永野さんも、「売れるのは悪」という空気は、なんとなく地下にはあったとおっしゃっていました。
脳みそ夫 そうですか(笑)。いやいや、すごいセンシティブな問題でよね。もともと繊細な方だと思うんですよね、永野さんって。だからすごく自意識が強いというか。僕、最近思ったんですけど、たとえばワタナベコメディスクールに入る人って、そういうこと考えないんですよ。最初から売れることを善として、もうセルアウトのために生まれてきたみたいな感じがするんです。そもそもの出自が違うというか。
――メジャーに対するゆがんだ感情が、「俺たちのほうがすごい」「すごくなくて逆にすごい」みたいな、謎の論理を生み出しているのかもしれないです。そういうところは私にもあります……。
脳みそ夫 その頃は、そういうマウント取るみたいなことを無意識にやってて。メジャーなものに対してこっちのほうがいいんだ、みたいな。それって結局、終わりがないというか。そんなことやってもあんまり意味がないなと思って。だから「勝った」「負けた」みたいなのとか、誰より上だとか下だとか、そういうのじゃないところに行きたいと思いました。で、すごく年いったときのことを考えて、ちょっと独特になっていかないときついなって。常に漫才とかコントで、同じ種目で争うみたいな感じだと……だって、爆笑問題みたいにメチャクチャ化け物みたいな人がいますから。やっぱそれより、性格的にあんまり争いが好きじゃないんで。競争のない世界に行きたい。
――ああ、まさに「和を以て貴しとなす」。
脳みそ夫 そうそう。それが本当に偶然、太子様の考えに近くなった(笑)。
――目標にしてる人はいますか?
脳みそ夫 僕、なぎら健壱さんにずっと憧れてて、なぎらさんって漫談がすごい面白いんですよ。『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)でもすごくベタなこと言って、タモリさんがそれにツッコむ。そんな人って、いなくないですか? タモリさんがめちゃめちゃツッコむって。すごいなぁって。
――もし自分が『タモリ倶楽部』に出るとしたら、どういう回がいいですか?
脳みそ夫 味噌ですかね。味噌すごい好きなんで。今みそソムリエの資格を二浪中なんですよ。誰でも取れるんだと思ったのに……受験料3万5,000円するんですよ。でも取りたい。やっぱり肩書がないとね、テレビも使いづらいだろうし。
――お味噌好きだから、脳みそ夫なんですか?
脳みそ夫 逆です。脳みそだから、味噌に詳しくなろうと思って。打算的なやつです。みうらじゅんさんが言ってたんです。「趣味とは自分をいかにだませるか」だと。もう尋常じゃないくらい趣味に関するものを集めて、物量で自分を圧倒するみたいな。だから今ちょっとその段階なんですよね。味噌に関するものをいっぱい集めてて……すみません、話がちっちゃくなりました(苦笑)。
――いえいえ、ソムリエ資格を取得したらCMとかもきそう、マルコメとか。
脳みそ夫 あ、それ、いいですね!!
――(永野さんが「メイクマネー」と言ってた時と同じ目だ……)
(取材・文=西澤千央)
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